高市首相「税率上げず税収増える日本を作る」は「インフレ税」容認宣言か

高市早苗首相は6日、経団連など経済3団体が主催する新年祝賀会であいさつし、日本経済の成長戦略と財政運営の方向性について言及した。税率を引き上げずに税収を増やすとの発言は、物価高と円安が続く現状と重なり、さまざまな受け止め方を呼んでいる。

  • 高市早苗首相の発言内容
    高市首相は、半導体やエネルギー、安全保障関連分野などへの「大胆かつ戦略的な投資」を通じて日本の供給構造を強化すると強調した。そのうえで、成長を実現すれば税率を上げなくても税収が増える経済を目指すと述べた。
  • 政府の狙いと背景
    政府は、物価上昇や賃上げを伴う名目成長によって財政基盤を安定させると同時に、増税への国民の反発を避けたい考えとみられる。実際、足元では消費税や法人税収がインフレの影響で増加している。
  • すでに達成されている側面
    物価高と円安を背景に、税率を引き上げなくても名目税収は増えており、形式的には首相の言う「税率を上げずに税収が増える」状況はすでに現実となっている。
  • 国民生活との乖離
    一方で、実質賃金は伸び悩み、家計は物価高に圧迫されている。税収が増えても国民生活が楽になっていない点から、成果を実感できないとの不満が強い。
  • インフレ税との批判
    税率を上げずに税収が増える仕組みは、実質的にインフレによって国民の購買力を削り取る「インフレ税」に等しいとの見方がある。実質経済成長を伴わなければ、国民が一層貧しくなるだけだという指摘だ。
  • 円安と株高の構図
    円安によって日経平均株価は上昇しているが、利益の多くは海外法人や外国人株主に帰属しているとの分析もある。名目GDPは増えても、国内の実質所得や生活水準の改善につながっていない。
  • 政策運営への懸念
    供給制約によるインフレが続く中で、積極財政をさらに進めれば、株価だけが上がる「株高不況」のゆがみをさらに拡大させる可能性があるとの警戒感が出ている。

高市首相が掲げる「税率を上げずに税収が増える日本」は、すでにインフレと円安によって部分的に実現している。しかし、その裏で国民生活は苦しさを増しており、実質成長を伴わないままではインフレ税による負担増にすぎないとの批判が無視できないものになりつつある。求められているのは増税ではなく、過剰な規制を減らし、民間が成長できる環境を整えることではないだろうか。

経済3団体共催2026年新年祝賀会であいさつをする高市首相 首相官邸HPより