「格好いい」よりも「好き」を極める生き方を

自分が周りから「格好いい」と思える行動をしたいと思う人が増えました。これはSNSの普及が一因だと思います。投稿に対する周囲の人たちの反応を気にしすぎて、それに振り回される人が増えたのです。

承認欲求を満たすためには「格好いい」と思ってもらえるコンテンツを選んでマウンティングするようになります。

例えば、予約の取れない高級レストラン、一本100万円を超えるような高級ワイン、有名人とのツーショット、ホテルのスイートルーム、ファーストクラスの海外旅行といった具合です。

多くの人がそれを見て憧れて「いいね!」を押してくれる。その期待が投稿のインセンティブとなっているのです。

しかし「格好いい」と思われていたものが「格好悪い」ものになってしまうことは珍しくありません。「格好いい」の基準は時代とともに変わっていく相対的なものだからです。

例えば、予約困難な人気店の予約自慢するよりも同じクオリティーが得られるまだ知られてないお店に自由に行く人の方が個人的にはセンスを感じます。

有名店というだけで盲信して何年も前からお店の都合に合わせて自分のスケジュールを決めて出かけるのはむしろ「格好悪い」のです。

高級ワインもただ高いから有名だからと言うだけで飲んでいるお金持ちは無駄にお金を使うだけの「格好悪い」バカ舌に見えます。

有名人とツーショットを撮っても知り合いでもなければ単なるミーハーの「格好悪い」行為に感じます。

高級ホテルのスイートルームも室内の動画撮影に夢中になっているのは羨ましいというより、何だか痛くて「格好悪い」ものです。これはファーストクラスの海外旅行も同じです。

このように「格好いい」と「格好悪い」が紙一重であるなら「格好いい」ことを追求するライフスタイルにはあまり意味がないことになります。

せっかく「格好いい」と思ってやっていたことがいつしか「格好悪い」ものになってしまうリスクがあるからです。

それよりも、自分が好きなことを追求する。承認欲求は満たされないかもしれませんが、人生の満足度は上がります。

周りの人に何と言われようと自分が好きなことをやり続け、心の豊かさを享受する。他人の価値観ではなく、自分の価値観に忠実に生きる方法です。

もしSNSがなくても同じライフスタイルを続けるのか?そう自問することで、自分が本当に好きでやりたいことが見えてくるのではないでしょうか。

自戒を込めて最近思っていることを書いてみました。

seven/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年1月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。