2022年7月に奈良市で起きた安倍晋三元首相銃撃事件の裁判で、奈良地方裁判所は21日、山上徹也被告に対し求刑どおり無期懲役を言い渡した。裁判所は「衆人環視の中で銃を使用した極めて危険かつ悪質な行為」と指摘し、被告側が主張した情状を量刑上はほとんど認めなかった。
- 奈良地裁は21日、山上徹也被告に無期懲役判決を言い渡した。検察側の求刑に沿った判断となった。
- 事件は2022年7月8日、奈良市内で街頭演説中の安倍元首相を手製銃で銃撃し死亡させたもの。被告は現場で確保された。
- 山上被告は旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)への恨みを動機として供述し、安倍氏が同団体に影響力を持つと認識した結果、標的を変更したと説明した。
- 判決で裁判長は、被告の家庭環境や経済的困窮など「不遇な生い立ち」を一定程度認定しつつも、殺意形成について「民間団体への恨みを政治家への銃撃に置き換えるのは大きな飛躍」と指摘した。
- 裁判所は「政治的演説の場で多くの聴衆がいた」「手製銃と自作弾薬を準備した計画性」「社会に与えた衝撃の大きさ」を悪質性の根拠として重視した。
- 弁護側は、動機形成に旧統一教会問題が深く関与した点や、社会における被告の精神的追い詰められ方を主張し、懲役20年を求めるなど量刑の軽減を訴えていた。
- 裁判所は弁護側主張について「量刑を左右するほど酌むべき事情は認められない」として退けた。
- 判決後、検察側は「求刑通りの適切な判断」と評価する姿勢を示した。一方、弁護側は控訴の意向について明言を避けた。
奈良地裁は、安倍元首相が死亡した重大な結果、手製銃を用いた計画性、公共空間での危険性を重視し、山上被告に無期懲役を命じた。裁判所は生い立ちや背景事情を認めつつも量刑に反映させず、事件の社会的衝撃と悪質性を決定的と判断した。

山上容疑者 NHKより





