応援演説をする高市首相
同首相Xより
いよいよ衆院選の投開票日2月8日が来る。1月9日に『読売』が「高市政権安定へ勝負…衆院解散検討、高支持率で慎重論振り切る」と報じるなり、16日には四半世紀に及ぶ自民との連立を解消した公明が立憲と新党中道改革連合を結成するという、19日の高市総理解散会見の上をゆく驚天動地の事態が出来した。
突然の公明の連立離脱は、斎藤代表がいくら釈明しようと世間には一方的に見えた。また漸く総裁に辿り着いた保守政治家に対する同情の念と運の良さを憶えさせもした。なぜなら、普段は油と水で分離しているのに、選挙の時だけ揺すって使うような手作りドレッシング風「野合新党」が上手くゆく道理などないからだ。
これに筆者は、高市自民に希望の光が差したと直感した。「働いてx5」で諸政策を提示・推進し、国民に希望を与えている高市氏の徳ゆえだと。そこで1月18日、一日掛けて議席予想をした。焦点を高市自民VS中道の議席争いに絞り、どちらに政権担当能力があると有権者が思っているかを占った。
高市総理も19日の会見で、「衆議院選挙は政権選択選挙と呼ばれます。自民党と日本維新の会で過半数の議席を賜(たまわ)れましたら、高市総理。そうでなければ、野田総理か、斉藤総理か、別の方か。間接的ですが、国民の皆様に内閣総理大臣を選んでいただくことにもなります」と述べた。
加えて、衆院に17ある委員会の議長の独占も重要だ。特に予算委員長奪取は、高市政権の政策実現にも必須である。米国でも、バイデン政権の中間選挙で共和党が下院多数派となり、司法委員会や監視委員会の議長を占めたことで、トランプ氏の冤罪の多くが雪がれつつあるのは周知の事実である。
国民民主と参政が多数の候補者を立てると予想された。が、政権を担える人材を両党がまだ育成できていないことは周知のことだ。政権運営には、党3役(幹事長・総務会長・政調会長)や内閣政務3役(大臣・副大臣・政務官)など多くの頭数が要る。玉木氏や榛葉氏や神谷氏だけで政権運営はできない。
自民からも中道からも、まだ候補者名簿も出ていないので(仮にあっても素人の筆者には判らない)、使うデータは過去2回の衆参両院選の有権者数、投票率、得票数・率、政党支持率、内閣支持率(=世間のムード)などだ。つまり、24年11月の兵庫県知事選で「斎藤2.0」を予想した以下の手法である。
斎藤氏が当選した前回21年7月の選挙は、有権者総数:453万人、投票率:41.1%(前々回40.9%)、総投票数:186万票、斎藤氏:85.9万票(46.2%)、金沢元副知事:60.1万票(32.3%)、他3名:40万票(21.5%)だった。
筆者の夢想は、投票率:50%、総投票数:227万票、斎藤氏:100万票、稲村氏90万票、他4名37万票だ。ここ最近の投票率は40%だがこれだけ話題になれば50%はあり得る。斎藤氏が前回86万人の9割を得れば77万票、投票率UP分41万票の半分がこれに乗れば100万票だ。残る127万票を稲村氏7割、他4名3割で分け合う。「斎藤2.0」はある。
結果は、投票率が55.65%と予想より5.65%もUPし、総投票数が248万票と前回より21万票増えたことで、斉藤氏が113万票(予想比+13万票)、2位が98万票(予想比+8万票)となった。増えた21万票が6対4で両者に上乗せされたが、得票率や票差は投票率のUP率にほぼ比例する結果となった。
そこで筆者の衆院選予想結果を先に示せば、以下の通り。投票率を60%と想定し、Min.(Gray scenario)は、Max.(Rosy scenario)から公明票のマイナスを100万票、浮動票上乗せ分のマイナスを80万票多く見込んだ。表には載せなかったが、投票率が63%にまで上がった場合は自民が284議席になった。
予想作業前の感触は、自民250・中道100だったので、まずますの数字になったと感じた。これをメールで伝えた友人数名から頂戴した感想が押並べて「自民に楽観的過ぎる」だったので、ここまで本欄への投稿はせずにいた。今更の投稿なので、後講釈のそしりは甘んじて受けるつもりである。
■
さて、中道を大幅減の100議席と直感した理由は、前述した「野合」である。そこで、友人数名にはこの表と共に以下のコメントを添付した。()は本稿執筆時点(2月3日)の補足。
- 自民党と立憲民主党に関しては、公明党の組織票が大きく影響するのでデータを基にある程度しっかり試算したが、他の政党は政党支持率の傾向からひと睨みした数字である。
- 公明党票の行方と共に重視したのは、ここ最近の高市人気(70%近い内閣支持率)が投票率のどう反映されるか、という点である(浮動票や投票率のUP分の多くが自民に投じられる)。
- 投票率は、高市自民が何をメインテーマに据えて選挙戦を戦うかによって大きく左右される。私は「国防選挙」と位置付けて、中国の横暴にひるまず日本の立場を主張することに重点を置いて、国民への訴えを行うべきと思う。
- 高市降ろしを企図している中国に最も効果的な無言の圧力になるのは、政権への高支持率と本衆院選での圧勝である。
- 中国の個別の圧力については、外務省などを通じた司司での必要に応じた反論にとどめ、総理は泰然自若となさっておられれば十分である。
- 経済問題は勿論重要だが、高市・片山コンビによる(責任ある積極財政などの)アピールと、玉木国民と協調した103万円の壁とガソリン暫定税率の廃止が奏功しているからこその目下の高支持率であるのだから、ここは既に多くの国民に浸透し、理解が得られているところである。
- 注目すべきは政党支持率である。自民は石破政権下の衆院選・参院選の時と比べると1%⇒16.4%⇒22.5%と急回復しているが、立憲は6.7%⇒5.5%⇒4.2%とジリ貧傾向である。
- 中道連立の相棒である公明の支持率も、3%⇒3.1%⇒2.5%と下がる一方だ。ジリ貧同士の互助会がなぜ相乗効果を生んで自民を倒せるのか、世間では謎の予測が報じられているが。
- 小選挙区の選挙区後の票読みなど素人の筆者には無理なので、そこに陥穽があるかも知れぬ。即ち、接戦選挙区の公明(創価学会)と立憲(旧総評系組合)の組織票、特に学会票だ。
- 浮動票と投票率アップ分の多くが高市自民に行くと思われるが、公明離れの票がそれより多くなれば、接戦選挙区で自民が負けるケースが出よう。そこが一番読みにくい。
- 参政と保守の票読みだが、参院選で300万近く取った保守はその3割が北村晴男の個人票であり、河村たかしグループの票も抜けるので100万に届かないだろう。
- 参政は参院選小選挙区で900万余、比例で700万余を取ったが、自民が石破政権から高市政権に代わり、良くて横ばい、恐らくは2~3割の票が自民に戻るのではなかろうか。
- 中道に移らない立憲議員が(偶にまともになる)原口一博を筆頭に出てくるだろう。そもそも立憲が反対してきた「安保法制」と「原発再稼働」の踏み絵を公明に踏まされるなんて真っ平という、間違ってはいるがそれなりに筋を通す人もいるかも知れない。
2月に入り、『朝日』(1日)⇒「自維300議席超うかがう 中道半減も 参政・みらい勢い 朝日調査」と『産経』(2日)⇒「自民・維新の与党で300議席超の勢い 中道は半減の可能性 産経・FNN衆院選情勢調査」と、期せずして自維与党で300議席を超える調査結果を報じた。
筆者予想のMax.とほぼ同じなので驚きはないが、自民単独で300議席超はtoo muchと思う。むしろこれに気を緩めた高市支持者の投票行動抑制(「underdog」効果というらしい)と、創価学会による組織票の引き締めが予想され、100~150ある自民VS中道の接戦区の幾つかで逆転があるかも知れぬ。
一般に「underdog」は、ボストンコンサルティングの事業ポートフォリオ(PPM)分析の4象限、「花形:star」=高成長率・高シェア、「金のなる木:cash cow」=低成長率・高シェア、「問題児:question mark」=高成長率・低シェア、「負け犬:underdog」=低成長率・低シェア、の一つとして知られる。
その伝ならば、中道は共産や社民と共にまさに「underdog」ではなかろうか。他方、それを負けそうな側を応援する「判官贔屓」の意で使うなら、前回総裁選の一回目投票で勝ちながら、岸田氏の思惑によって涙を飲んだ高市氏が目下、命を削りながら国民に希望を与えている姿にこそ、相応しい語であろう。
豪雪や受験の時期に当たり、投票しづらい方もいらっしゃる。が、期日前も活用し、自分がこれと思う政党や候補者に清き一票を投じて欲しい。それが今回ほど貴重な一票になる選挙は絶えて久しいのだから。