辺野古移設は中止して基地のあり方を考え直そう

「普天間基地は返還されない」というアメリカ政府の文書が話題を呼んでいる。国防総省が2025年9月に政府監査院(GAO)に提出した公式回答で「代替的な滑走路が選定できるまで普天間基地は返還されない」と書いているのだ。


国防総省のGAOに対する回答(沖縄タイムズ)

GAOが「普天間基地の滑走路は2700mあるが、辺野古は1800mしかないので固定翼機が発着できない」と指摘したのに対して、国防総省はその事実を認め、辺野古移設が完了しても、長い滑走路が使えるまで普天間基地は返還されないと明記した。


辺野古(キャンプ・シュワブ沿岸部)

1996年の日米合意は無意味だった

これに対して小泉防衛相は「日米の認識に齟齬はない」と反論し、必要な場合は民間空港を提供する法的措置を決めたという。代替滑走路は具体的には那覇空港しか考えられないが、そういう協議はおこなわれていない。

辺野古移設は1996年の橋本首相とクリントン大統領のSACO合意で決まったものだが、これには当初から多くの疑問があった。そもそも何のために移設するのか、よくわからなかったからだ。

日米協議のきっかけは1995年の米兵による少女暴行事件だが、これは普天間基地とは無関係だった。これは沖縄県民の不満をおさえるため橋本政権がクリントン政権に頼んだもので、アメリカ側には軍事的必然性はなかった。

辺野古移設は中止するのが合理的

よくいわれるのは「普天間は市街地の中にあって世界一危険な飛行場だ」という話だが、そういう空港は世界にも数多い。日本でも伊丹空港や福岡空港は市街地の中にあるが、その中で普天間が特に危険だというわけではなく、死亡事故が起こったこともない。騒音問題は、それを承知で引っ越してきた人がいっているので問題にならない。


普天間基地

今は海兵隊の分散配置が進み、普天間の主要固定翼機(KC-130など)は岩国飛行場に移り、普天間は主にヘリ・オスプレイの拠点なので、長い滑走路がなくても大きな支障はないが、固定翼機との一体運用ができなくなると即応機能が落ちるなどの問題がある。

現実的な解は辺野古移設を中止することだ。日米両国が合意すれば、SACO合意を破棄することも可能だが、30年にわたって進めてきた話を、ここでパーにするわけにもいかない。

沖縄の戦略的重要性は大きいので、普天間を現状維持することは重要だが、それでは県民の不満が高まる。その機能を国内各地やグアムに移転して縮小し、日米で基地のあり方を考え直す必要があろう。

 

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