正社員不足「52%超」でも企業は選り好みをつづけているのか

帝国データバンクの最新調査で、企業における正社員の人手不足が依然として深刻な水準にあることが分かった。やや改善の兆しはあるものの、正社員不足は半数超が続き、構造的な課題が浮き彫りになっている。

  • 帝国データバンクが2026年1月に実施した調査では、正社員が不足していると答えた企業は52.3%だった。前年より1.1ポイント低下したが、4年連続で5割を超えた。
  • 非正社員の不足は28.8%で、前年より1.8ポイント低下し、2年ぶりに3割を下回った。飲食や宿泊では改善傾向がみられる。
  • 業種別では建設が69.6%、情報サービスが69.2%と高水準で、労働集約型業種で不足感が強い。
  • 2025年の人手不足倒産は427件で過去最多を更新した。建設や物流などで、需要があっても人材確保ができず事業継続が困難になる例が増えている。
  • 賃上げを予定する企業は6割を超えるが、不足解消には直結していない。AI導入や業務効率化の動きも広がっている。
  • 「低賃金が原因だ」「不足しているのは適正賃金を払える企業だ」との声が多く、待遇改善や制度見直しを求める意見が目立つ。一方で、外国人労働者の必要性を訴える声と拡大へ懸念が同時に出ている。

今回の調査結果は、人手不足が単なる人数の問題ではなく、雇用の硬直化、賃金水準や価格転嫁力、働き方の柔軟性、スキルのミスマッチなどが絡む構造的問題であることを示している。企業と政策の双方に、持続的な解決策が求められている。

kanzilyou/iStock

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