戦争がいつ終わるかは市場に聞け:TACOと民主主義

医者からの指摘もあり、外ではまだ飲みますが、家では全く飲まなくなると不思議と外で飲むのも面倒になってきます。そうなると気になるのが皆さん、どうされているのか、であります。当地の人も私の住む35年間で酒に対する意識は相当変わってきており、若い人は飲まない傾向が強いです。結局、酒の力を借りることを必要としない時代になったのかもしれません。日本でも若者は飲まない傾向は明白です。アルコール飲料会社もキリンがアメリカのバーボンウイスキーの会社を売却しますし、サントリーのジンビームがケンタッキーの主力蒸留所の生産を1年止める決定をしています。これも世の中の変化のトレンドなのでしょうね。

では今週のつぶやきをお送りいたします。

どうなるテック株の行方

AIブームの中でどのAIを使うか、が最近の話題になってきています。皆様には先駆者的であったChatGPTを使っている方も多いでしょう。私はグーグルのGeminiです。アンソロピックや特定の分野に強いAI、更には中国系もありますし、ドイツには翻訳、文章校正に強いDeepLなんていう企業もあります。そのAIのネックはメモリーにあり、と言われメモリー不足により膨大なデータを一時的に置いておく場所が足りないとされてきました。

これを解消させようというのが今回グーグルから発表されたTurboQuant(ターボクアント)で、平たく言えば圧縮陳列ならぬ量子化による圧縮技術で作業領域は1/6,処理速度は最大8倍になるそうで、まさに日進月歩と言えます。ところがグーグルを含むGAFAMの株価は恐ろしく酷く沈み込んでおり、特にマイクロソフトが52週安値に接近しているほか、メタが裁判敗訴もあり下落のペースが速まっています。以前に申し上げたようにAI相場は踊り場にあり、マネタイズするという点で各社、模索の展開であります。半導体の需要は旺盛なのですが、ではその需要発掘をするべくテックジャイアントは何をどうオファーできるのか、いまだに焦点が定まっていません。

そんな中、アンソロピックがIPOの準備を行っています。また、以前から噂されているイーロンマスク氏のスペースXの巨額の上場計画についてはマスク氏が個人投資家割り当てを通常の5-10%に対して異例の30%に引き上げる検討をすると述べています。こうなるとマイクロソフトは「古い名前で出ています」的ともいえ、投資家による銘柄選別が進む可能性は否定できないのでしょう。個人的にはテック業界は「大恐竜時代の戦い」であり、いずれいくつかに収斂する過渡期にあるとみています。当然ながら収斂するギャンブルには手を出せないので私はこの業界については様子見に徹しています。

戦争がいつ終わるかは市場に聞け

イラン戦争に関してトランプ氏は過剰なほどインタビューやSNSを通じて発信しています。ですが、氏の発言は基本的に感情的なのでオオカミ少年的な状態にあります。では誰の話を信じたらよいのだろう、思うでしょう。実は昔から言われているのは「もっとも正直な意見を知りたければ市場に聞け」であります。なぜか、といえば市場では世界からのシリアスマネーが激しく交錯しているからです。各々の投資家の思惑で売り方と買い方がぶつかり合いながらも一定の方向に進む、このベクトルこそその答えである、というわけです。

ご記憶にある方もいらっしゃると思いますが、私は1年ぐらい前から原油関連株にご執心で半年ぐらい前までにかなり仕込んでおりました。当時は原油株なんて誰も見向きもしませんでした。当然、今は高値を更新し続けているわけですが、ここからが一番難しいところで引き際は何処なのか、この模索状態にあります。例えば今週、やはりかなり高値になっていたガス関連株を売却しました。この銘柄は値動きが荒くないので株価形成がなだらかになるので「頭と尻尾はくれてやれ」と考えたわけです。一方、原油は先般の銀相場のように急上昇するも、下げるとなると一気に奈落の底に落ちるわけです。原油も市場が小さいので価格の振れ幅は大きく、今、最も難しい局面にあるわけです。

私はこの戦争は簡単ではなく、すぐには終わらないと当初申し上げていました。あるインフルエンサーは「アメリカ、イスラエルの武力なら圧勝間違いなし」などと公言していた方もいますが、見ていて恥ずかしい方だな、とひそかに思っていました。戦争は武力だけが決め手ではないのは過去のアメリカが手を出した戦争を見れば一目瞭然なのです。私は「妥協の産物で双方得るものなく遠くないうちにこの戦争は終わる」とみています。止めたいトリガーはトランプ氏側にあり、誰も協力してくれず、孤軍奮闘にも限界があるのです。トランプ氏はいみじくも毎日放言をしていますが、あの言葉尻と顔の表情を通じた氏の心理状態を推しはかることで予想するしかないのでしょう。

TACOと民主主義

TACO、Trump Always Chickens Out(トランプはいつもビビり!)は朝令暮改を繰り返すトランプ氏への皮肉であります。では氏は何故、朝令暮改をするのでしょうか?一般的に考えを頻繁に変えるケースは2通りあると思います。1つは熟考せず、口から出まかせ的に発言し、それを度々修正する場合、もう1つは発言のインパクトが大きく、賛否があり修正を余儀なくさせられる場合です。よくあるのが企業の不祥事で初めは「問題ないと考えている」と述べてもそれが社会問題化されると謝罪するのは後者の典型的例でしょう。

トランプ大統領 ホワイトハウスXより_08

我々は民主主義国家にいます。つまり発言は自由なのです。世の中、保守、革新、それ以外も含め主義主張は理論的には無限にあります。ただ無限ですとまとまりがないのである程度枠組みとして政党があったり、保守革新という左右のしきりにしたりするわけです。民主主義は当然、民衆がモノを決めるわけですから紛糾するのは当たり前です。例えば安倍元首相は非常に明確でわかりやすい考え方を持っていましたが、それに賛同しない人も明確に分かれた、故に氏が総理の時は紛糾との闘いであったとも言えます。言い換えれば民主主義の真骨頂とも言えます。

民主主義国家の特徴は物事を決めるにあたりその決定が中庸になりがちなことと決定までの時間がかかることです。イラン戦争1つにしても3歩前進2歩後退となるのはいくら大統領でも思ったようにならない仕組みだとも言えます。権威国家が世界の過半を占めるのはある意味、強権を持って統治しなければ国家を治められないジレンマにあるともいえ、多くの権威主義は基本的には発展途上の小国に見られます。(中国、ロシアのような例外もありますがそれらは権威主義のまま成長してしまったとも言えます。)高市さんもそういう意味では民主主義の枠組みでもがいている、私にはそう見えますが、それが健全な姿だとも言えるのでしょう。

後記
来週から1週間だけ日本。その間、国内移動を含め、超タイトで果たして使命を全部こなせるのか、自分でも自信がありません。東京に行っていてもバンクーバーの業務もありますから普段は朝は5時半から仕事をするのですが、今回はそれでは収まらないので朝4時ぐらいから対応しなくてはいけません。たまたま1週間にあまりに多くの計画を凝縮しすぎたためで、これはAI君に助けてもらえる話でもありません。そこで日本に行く前から日本での作業を前倒しで準備し、完璧に近いスケジュール感で臨みます。歯車は一つも欠けるわけにはいきません。ドキドキです。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年3月28日の記事より転載させていただきました。

アバター画像
会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント