腹立たしいトランプ演説:米国に対してもノーを!

十分な資源も軍事力を持たない日本は、米国の庇護下にあり、逆らえないという思いできたが、4月1日の「今後2~3週間で極めて激しい打撃を与え、イランを石器時代へと逆戻りさせるつもりだ」とのトランプ大統領発言には許しがたい思いだ。

演説するトランプ大統領 ホワイトハウスXより

他国民に対する尊厳を欠いた発言だ。この発言一つをとっても、ノーベル平和賞に値するはずがない。無法な関税・恫喝にも等しい対米投資要求など、ここまで品位のない卑しい米国大統領に対しても、日本の国防の観点から従わざるを得ないのかと自分を納得させようとしていたが、今回のイランに対する発言を聞いて、日本は黙認を続ける必要があるのか、甚だ疑問だ。米国の良心はどこに行ったのだ!

相手に敬意を払い、その尊厳を尊重するのは、人として最低限の順守すべき道徳だ。それさえ理解できない人物に対して、如何に米国大統領だとはいえ、もはや忖度する必要はないと思う。実際、石器発言以降、イランは攻撃の姿勢を強めているように見える。脅迫に恐れをなして屈服する人間と、脅迫に対して死をも恐れず立ち向かう人間がいる。たとえ前者であっても、限界を超えた屈辱を受けて誇りを傷つけられれば、後者の振る舞いをするようになる。

今回のトランプ大統領の「石器時代」発言は、イラン人に対する侮辱だ。1月の終わりまで平和な生活を送ってきた人々に対する国際法を無視した攻撃に、欧州の首脳は批判をしてきた。

今日のニュースでは、フランスのマクロン大統領が「毎日言うことが変わるなら、黙っていた方がいい」と厳しいコメントをしていた。本当にその通りだ。世界をリードする国の大統領に、これほどまでに翻弄される事態を、日本は何も声をあげなくてもいいのかと・・・・・・・・苦々しい思いでいっぱいだ。

PS:4月6日から読売新聞の「時代の証言者」で私が取り上げられる。あまり面白くもないが、時間があれば読んでほしい。


編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2026年4月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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コメント

  1. 早川蒼真 より:

    トランプ大統領の「石器時代」発言が品位を欠くものであることには、私も賛同します。相手国民の尊厳を傷つける言葉は、国際社会のリーダーとして適切ではない。その点は中村先生のおっしゃる通りです。
    ただ、これはまさにトロッコ問題です。トランプさんも、非常に難しい立場に置かれている。

     ・右側の線路:強硬策によって失われる「イラン人数万人の命」
     ・左側の線路:核拡散を見逃した結果、将来テロ組織が奪う「数十万人の命」

    感情的に「卑しい」と断じるのは簡単です。しかし、その先を考えなければならない。
    トランプ大統領もあと数年で任期が切れます。圧力が弱まった瞬間、イランは必ずこう言うでしょう――「核の平和利用の権利は絶対に手放さない」と。マクロン大統領は、その時どうするつもりなのでしょうか?
    それから数年後、原発10個分に相当する濃縮ウランがイラン国内で確認されたとき。マクロン大統領は、どうするつもりなのでしょうか?
    さらに数年後、テロ組織の手に核が渡り、どこかの国の首都が核の火に包まれたとき。「その時は僕は『てへぺろ(・ω<)』って言います」って堂々と宣言すればいいんですよ。
    「毎日言うことが変わるなら黙っていた方がいい」――マクロン大統領のこの言葉は痛快に聞こえますが、では彼自身は査察不能の濃縮ウランに対する具体的な抑止策を持っているのか。そこが問われなければ、結局は「楽なところだけをつまみ食い」しているに過ぎません。

    核拡散の現実に目をつぶっていさどい事を言っても、なんだかなあと思います。