新宿区の「前納制」導入、全国に広げよ:外国人の国保未納問題にようやく本腰

新宿区の「前納制」導入、これは全国に広げるべき一手だ

新宿区が外国人の国民健康保険料について、加入時に初年度分を一括前納させる制度を導入しました。都内では初の取り組みで、これは本当に評価したい動きです。

背景にある数字は深刻です。新宿区の外国人の国保料収入率は約53%。日本人の約77%と比べて24ポイントも低く、23区中最下位が続く収納率の最大の原因となっています。

しかも転出・帰国後の徴収はほぼ不可能で、「保険料を払わずに医療を受けてそのまま帰国」というケースが現実として起きてしまっている。

「払わなくても使える」という制度の抜け穴を放置してきたことで、真面目に保険料を払い続けてきた現役世代が、その穴を埋める形になっているわけです。

新宿区役所 Wikipediaより

「骨太の方針」に盛り込まれたことの意味

新宿区がこの前納制を単独で思いついたわけではなく、自民党の「在留外国人に係る医療ワーキンググループ」への提言を経て、厚労省が各自治体に条例案を示すという政策プロセスを経ています。

すでに全国46自治体が来年度からの導入を予定しているとのことで、制度改正の波が確実に広がりつつあります。

正直なところ、「なぜこれまでやっていなかったのか」という思いもあります。外国人に限らず、帰国予定の日本人も対象に含まれているとのことで、制度の抜け穴を塞ぐという観点からは理にかなった普遍的な仕組みです。

現役世代の負担軽減という本質

社会保険の持続可能性を語るとき、どうしても「給付の削減」か「保険料・税の引き上げ」という話になりがちです。

しかし今回のような「本来払うべき人にきちんと払ってもらう」という収納率の改善は、現役世代の追加負担なしに財源を確保できるという意味で、最も誠実な改革の一形態です。

全国自治体への拡大をスタートラインとして、この取り組みが全国標準となることを期待したいと思います。


編集部より:この記事は、前参議院議員・音喜多駿氏のブログ2026年4月8日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント