
4月最初の土曜日、大津に来ました。あいにくの雨でしたが、今日はここから大津きっての名寺、三井寺参りに向かいます。

交差点の写真の右上の角にある、三井寺力餅。三井寺と比叡山延暦寺の争いの中で、武蔵坊弁慶が三井寺の鐘を引きずって比叡山までもっていってしまったという伝説があり、その逸話から力餅が誕生しました。

特徴は青大豆と抹茶をブレンドして作られた青いきな粉。これがふんわりとした餅の上いっぱいに広がっています。三井寺参りの帰りのお土産品としても最適です。

三井寺駅から三井寺に向かう道の脇には琵琶湖疏水が流れています。明治時代、事実上首都が東京に移ってしまい、急激な人口減少に悩まされていた京都を再興するために敷設された琵琶湖から京都に至る人工の運河。その脇を彩る桜並木は滋賀を代表する花見のスポットとなっていて、琵琶湖疏水の遊覧船から桜の絶景を眺めることもできます。


猫みくじ。
仁王門が正門ですが、疏水に近い南側の門から入寺します。入り口のすぐそばにある水観寺は近年猫寺として猫のおみくじなどの販売を始めています。三井寺では古くから経典をかじるネズミ対策のために猫を飼っており、大切に扱われていた経緯があります。

そこそこ長い階段を登れば観音堂。

現在残っている建物は元禄二(1689)年に建築されたもの。如意輪観音が祀られており、近畿地方を中心とした33の観音菩薩を巡る、西国三十三か所巡りの十四番札所に指定されています。

観音堂の近くに建つ観月舞台。春のシーズンは解放されてここから桜の絶景を見ることができるのですが、拝観料は5分で3000円。1分600円、1秒10円。うーん。時間の大切さを感じつつ、違う場所で桜を楽しむことにします。観音堂の裏手にある高台に登れば観月舞台からとはまた違った桜の絶景を見ることができるのです。

その景色がこちら。この日は雨で残念でしたが、それでもこの時期しか見られない、三井寺の桜に彩られた琵琶湖を眺めることができました。

毘沙門堂。
1200年の歴史を有する天台宗の総本山である三井寺は広く、敷地内にほかにも多くの寺を擁します。

しもぶくれの顔立ちがかわいいお地蔵さん。

石垣と桜の見事なコラボレーション。

金堂。
桜の石垣を抜ければ三井寺の本堂である「金堂」。金堂は国宝に指定されていて、安土桃山時代の名建築といわれています。建物の中を一周することができます。中には不動明王や円空仏といった御仏の像が数多く祀られていて、この三井寺の中核的建物であることがわかります。金堂の左手奥を進むと弁慶に引きずられた鐘がありますのでそちらの方へ向かいます。

その道の途中にあるのが、閼伽井(あかい)屋。今でも水の湧き出る泉で、天智天皇や持統天皇の産湯にも用いられたと伝えられています。この井戸があったため「御井(みい)の寺」と呼ばれるようになり、これが三井寺の名の由来となっています。


弁慶鐘にやってきました。弁慶に引きずられた傷が多く残っているといいますが、ことの真偽はわかりません。弁慶を家来としていた源義経は比叡山延暦寺に庇護されていましたので、延暦寺と対立していた三井寺を弱く見せるために鐘を奪い取ったという噂を流布したのではないか、と勝手に推測します。
この鐘はつかれていませんが、三井寺には近江八景のひとつ、三井の半鐘があって、その鐘の音がとても美しいことで知られています。


弁慶鐘では鐘みくじができます。鐘を手水に浸すと番号が出てくるので、これを受付に提示しておみくじをもらいます。水みくじって、水に浸すと運勢が浮かび上がってくるものがありますが、これなら家に持ち帰れて便利ですよね。みくじと一緒に三井寺の風景を描いたカードももらえるので、行くたびにひくとカードも集められます。

金堂から階段を降り、正門(仁王門)に着きました。正門前でも桜が出迎えてくれます。滋賀県の別の寺にあったものを豊臣秀吉が伏見に移築し、徳川家康がさらにここに寄進したそうです。こういうケースって他にもあるんですが、家康はできるだけ秀吉の功績を消したかったんでしょうかね。

雨の中の拝観で若干駆け足になってしまいましたが、桜は美しく春の大津を楽しむことができました。今年の桜はもう終わってしまいましたが、来年の春、この桜の絶景を楽しみに来てもらえたらうれしく思います。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2026年4月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。







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