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4月28日の社会保障国民会議(実務者会議)で僕は「秀吉の墨俣城を造ることが先決、すべてを解決できる」と述べた。
食料品消費税ゼロと給付付き税額控除の導入と、この二つをどう解決するか、これが実務者会議に与えられた命題である。
まず食料品消費税2年間ゼロは、高市総理が公約として検討を加速せよ、と主張していた。検討の加速だから、文字通りスピード感をもって検討してみたが、年間5兆円(2年間で10兆円)の財源は見当たらない。税収の自然増をあてにするか、国債を発行するしかない。前者は裏付けがないし、後者は円安を呼び物価高騰の悪循環を招く悪手だ。
もう一つ、食料品消費税ゼロを主張していた総選挙の時点ではイラン戦争はなく、ホルムズ海峡も封鎖されていなかった。戦争によって生じた新たな物価高は各分野に及び、食料品のみを対象とした物価高対策の意味がすでに薄れている。
さらに新聞報道にもあるように、実務者会議でスーパーやコンビニ、レジ改修業者などのヒアリングの結果、準備に最低1年の準備を要するのだ。つまり食料品消費税ゼロがスタートするとして最短でも1年半後ということになり、緊急的な物価高対策として間が抜けた状態にしかならない。
給付付き税額控除は「負の所得税」と呼ばれ、税金を課すのではなく貧しい人たちに給付するという考え方が基本で、日本ではこれまでは存在せず、試行錯誤しながらも先進国では導入されてきた画期的な税制である。
消費税の逆進性対策として中低所得者に恩恵をもたらす。この給付付き税額控除を実現するためには所得情報把握のシステム構築に手間取り、デジタル庁のヒアリングでは3年かかるという。
国民会議の有識者会議からの提言では、給付付き税額控除は、とりあえず給付だけで先行したらよいのでは、というものだった。これでは岸田減税などこれまでの自民党政権のバラマキ型のやり方と大差ないではないか。
そこでは僕はが主張したのは、食料品消費税ゼロも間に合わない。給付付き税額控除も3年かかる。ならば、給付付き税額控除の簡易版を「秀吉の墨俣城」のような一夜城の建設式にやろうではないか、との提案だ。
簡潔に説明する。
所得税のみを対象とする「簡易版給付付き税額控除」すなわち「確定申告と源泉徴収を活用した給付」と税務当局が担う「税額控除」の仕組みを採用するだけでよい。実施主体は国税当局のみとなり、来年の確定申告から可能。
自営業者など確定申告の際、申告した所得に基づき給付または源泉徴収を行えばよい(所得が低い人なら「確定申告した場合に限って給付が得られる」とすればよい)。給与所得者は年末調整の際に、事業者が所得に基づき調整額を決定する。会計ソフトが新制度で更新されれは自動的に計算されるだけなので事業者の事務がそれほど煩雑にはならないはずだ。
以上、墨俣城を!
これなら今年度からスタートできる。
編集部より:この記事は参議院議員(日本維新の会)・猪瀬直樹氏のnote 2026年4月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は猪瀬直樹氏のnoteをご覧ください。







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