独占、複占、寡占、自由競争。聞いたことがある人もいると思います。あるサービスや販売をするのに競合がいるのか、いないのかで区別する考え方です。独占は1社、複占は2社、寡占は数社、自由競争は多くの企業による市場形成ということになります。

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経営側から見れば独占をしたいものです。このブログでも時々出すキーワード「ブルーオーシャン」」とは競合が周りにおらず、自社ビジネスを誰にも邪魔されることなくのびのびと展開できるのに対して「レッドオーシャン」は血の海のようにお互いに流血戦をしながらも勝ち残り競争にまい進するというものです。
そのブルーオーシャンとレッドオーシャン、顧客側からすれば当然レッドオーシャンが価格的魅力が大きいわけでありがたいと思うはずですが、実は企業側もブルーオーシャンを長くやると競争力がなくても儲かるので企業体質が悪化しやすい傾向にあると考えています。経営者として意見するならブルーオーシャンはありがたいけれど多少競合がいないと張り合いもないし、自分のビジネスが果たして正しい針路なのかつかみにくいとも言えます。
以前にも書きましたが、今年に入ってM&Aが特に増えてきています。日本でも北米でもそのニュースがない日はないと言ってもよいでしょう。私の持ち株銘柄でも先日も1つ買収完了し上場廃止になったし、今、新たに別の銘柄も買収合意に達しているので数か月以内に臨時株主総会で買収決議がなされるはずです。通常、買収が発表されると買収金額に数十%のプレミアムが付きます。私の場合はそのまま保有し買収企業の株をもらうのは本意ではないので事前売却を常とします。
では買収する企業側の論理を考えてみましょう。一般的には合併で管理コストが大きく下がるとされます。例えばある企業の管理コストが2割あり、同じような管理コスト2割かけている会社を買収するとします。仮に買収側も被買収側も同程度の売り上げだとすれば売り上げは2倍になるも、管理コストはせいぜい1.5倍ぐらいに収まるわけです。つまりちょっとセーブできます。
しかし、企業買収の醍醐味とは売り上げと利益が飛躍的に増大することにあります。当然、買収企業は買収後に更に資金を投下し、業務改善、改革に努めます。すると買収側は①買収時の被買収企業へのプレミアム ②買収のための資金投下 ③買収後の経営改善の資金投下 と極めて大きな資金を投じる必要があります。他方、買収企業の株主は常に冷たい目線で見ています。「経営陣はまともだろうか?ちゃんと利益を生み出すのだろうな」と。
そのため、多くのケースでは買収後、販売価格を値上げすることが多いのです。各種統計からざっくり見ると価格上昇幅は約5%です。そりゃそうです。よく聞く合併のコスト削減効果なんてものは知れており、最終的には規模の経済を目指しているからなのです。もしも業界がより寡占、ないし複占に近い形になり、合併により市場占有率が4割とか5割に迫るようになれば市場価格を牛耳ることができるのです。だから独占禁止法があり、常に厳しい合併審査があるのです。
私は上場企業を減らせと申し上げてきましたが、とりもなおさず合併が進む、ないし非上場化で体力をつけ直すという意味です。(潰れろとは言いません。)これは日本が99.7%が未だに中小企業であり、まともに法人税も払えていない点から非効率経営がまかり通っているからです。例えば家族経営の企業でも交際費は年間800万円まで使えます。誰と使うねん?と聞きたいぐらいで「家族と沖縄に市場調査」「夫婦でビジネスクラスでハワイに行って健康促進のマラソンイベントに参加」ってな具合。未だにいるのが皆で割り勘で払っているのに「領収書欲しいからまとめて払うので、私にお金頂戴」というケース。これなどは全員分の割り勘費用を経費で落として皆から集めたお金はポケットに入れるんだろうな、と思うわけです。
日本には登録ベースでの企業数は490万社、稼働ベースでは330万社あるのではないかとされます。また年間廃業数が約6万社、倒産数が1万社、合併が5000社で一年間で75000社ずつ減っています。また会社登録をした時期は4割程度が1984年より以前、2割程度が1985-1999年とされるのでこの6割の企業、企業数は経営者の年齢的な廃業や事業売却が進む可能性があり、加速度的に日本の企業体系は変わってくるとみています。
当然ながらそこには一定の値上げを伴う企業買収、事業継承があるわけで日本の物価は継続的に上昇は避けられないとみています。その場合、留意が必要なのは超長期プランで例えばマンションの修繕積立金、年金暮らしの方のライフプランなど様々な影響は出てくると思います。真綿で首を絞めるような感じになるのでしょう。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年5月8日の記事より転載させていただきました。






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