「人生の質」を高め続ける方法

内藤 忍

「人間は慣れる動物である」というのは古今東西語られてきた人間の真理です。

卑近な例えで言えば筋トレの世界です。初めてパーソナルジムに行ってトレーニングした時、思うようにバーベルは上がらず翌日から数日間は激しい筋肉痛に襲われました。

ところが、毎週通っているうちに重かった負荷がいつの間にか当たり前になり、終わった後の筋肉痛すら起きなくなります。

身体がその過酷な環境に慣れたからです。

資産運用の世界でも全く同じことがあります。

12年前に人生で初めてお金を借りて不動産投資を始めた時、2000万円足らずの借り入れの契約書に押印する時に緊張したのを覚えています。

しかし、今や10億円以上の借入をして返済するようになると1億円程度までの借り入れであれば、緊張することもなくなりました。

自分にはハードルが高いと思っていることであっても、継続しているうちにそれが当たり前になっていく。

逆に言えば、もし筋トレで同じ重さのダンベルをずっと持ち続けていても、筋トレの効果は低減していき無駄な時間になってしまいます。あるいは投資でも金額を追加してより大きな投資対象にチャレンジしなければ、そこで成長が止まります。

つまり人生の質を向上させたいのであれば、意識的に現状の「慣れ」をハックする必要があるのです。

現状の快適な環境に安定して現状維持を施行するよりも、意図的に自分の環境に「違和感」を投入し続ける。

これは最初は快適とは思えないはずです。自分にはハードルが高いと感じるはずです。しかし、人間は慣れる動物です。いずれはその高い基準が自分の当たり前に変わっていきます。

人生の質を上げるためには「心地よい現状維持」に甘んじることなく自分の限界を理解した上で現状を変えていくことです。

シニアになると変化に対する許容度が下がり、現状維持志向がより強くなっていきます。30年前の音楽を聴き、20年前の洋服のスタイルのままで、昭和の思い出話ばかりしている「イケてないおっさん、じいさん」です。現状維持は世の中の環境が変われば「劣化」です。

だから意図的に違和感を感じるような機会を作る必要があるのです。

思い込みや食わず嫌いで新しいことを避けるのではなく取り敢えずやってみる。

そんなやり方で「人生の質」を高め続けることを忘れてはいけないと自分を戒めています。

miya227/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年5月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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