BRTの「東京駅直結」でも晴海フラッグは変わらない

内藤 忍

のらえもんさんが運営するブログ「はるみライフ+」によれば晴海フラッグと新橋駅を結ぶBRT(Bus Rapid Transit)に東京駅までの新ルート追加が検討されているようです。

2026年秋頃の運行開始予定で晴海フラッグのバスターミナルである晴海五丁目ターミナルから築地、銀座を経由して東京駅へと至るルートです(図表も同ブログから)。

現在も都バスが晴海埠頭から東京駅丸の内口まで直通バスを走らせています。今回予定されているBRTは同じ東京駅ですが八重洲口に到着します。

同じ東京駅ですがBRTの方が停留所の数がかなり少なく、晴海フラッグのはるみらい停留所を出ると勝どき駅も通過して築地と銀座の2か所にしか停車しません。乗降時間節約と平均運転速度のアップによっての所要時間短縮が期待されます。

うまくいけば、晴海から東京駅まで20分足らずで到着できるかもしれません。

新橋に加えて新たなターミナル駅へのアクセスができる事は悪い話ではありません。しかし、東京駅直結の新しい路線ができたとしても晴海フラッグ住人には大きなメリットはないと思います。

そう思う一番の理由はBRTの「運行頻度」です。

現在の晴海↔︎新橋間のBRTは平常時は1時間にわずか4本、つまり15分に1本です。

このような頻度で運行されている場合、最大で10分以上待たされる可能性があります。時間を気にせず出かけるとBRTがすぐにやってくるとは限りませんからダイヤを調べて出かけることになります。

公共交通は時間を気にせず発着所に行けば数分で乗車できることに大きな価値があります。その意味で現状のBRTには利便性に致命的な問題があります。

東京駅行きの新ルートが運行開始になったとしても、その運行頻度は新橋行きよりも低くなるでしょう。20分に1本、あるいは30分に1本では残念ながら「ないよりはマシ」といったレベルです。

また、電車のアクセスがない晴海エリアには地下鉄の新駅を望む声が強くあります。私は地下鉄が10年後、20年後にできてもあまり恩恵は受けません。

それよりも即効性のあるのはBRTの運行頻度の引き上げです。せめて現在の15分に1本から8分から10分に1本程度まで増やしてほしいと思います。

運転士不足などの実現へのハードルは、自動運転の実用化などテクノロジーによって解決できると思っています。

でも新しいものに拒絶反応を示すこの国では、もしかしたら地下鉄の開通よりも遅くなってしまうのではないかと実現には極めて悲観的です。

晴海フラッグHPより


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年5月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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