京大「論文改ざん」でも教授にスピード昇進:告発した研究員は雇止めに

京都大学で研究不正が再び発覚した。2021年に発表した論文でデータ改ざんが認定された小田裕香子教授は、内部告発を受けた後も教授に昇進し、多額の公的研究費を基盤に研究を続けている。一方、告発した研究員は雇い止め処分を受けた。京都大学は改ざんを認めつつ影響は小さいと判断し、論文訂正を勧告するだけで終わらせた。

  • この事件は小保方晴子氏のSTAP細胞事件を連想させる対応として、SNSを中心に大きな波紋を呼んでいる。

  • 京都大学生命科学研究科の小田裕香子教授は2021年、助教時代に「JIP」と名付けたペプチドが上皮細胞の接着を誘導するという論文を米Science Advances誌に発表した。この論文は高く評価され、小田氏の准教授・教授昇進や約2億8000万円規模の公的研究費獲得につながった。
  • 2023年12月、小田氏の研究室に所属していた博士研究員A氏が大学に内部告発した。A氏は論文の追試を試みたところ再現性が得られず、マウス実験データの削除などの不正操作を発見した。
  • A氏が小田氏に報告したところ、小田氏は「あなたはラボを潰したいんですか」と発言し、その後連絡を絶ったという。A氏は研究プロジェクトを無断で他者に引き継がれ、隔離スペースでの勤務を強いられた。

  • 告発から約3カ月後の2024年2月末、A氏はCiRAから年度末雇い止めを通知された。3カ月間の雇用継続を提案されたが、2024年6月末に退職した。大学はA氏への不利益取り扱い調査を進めているが、結論は出ていない。
  • 一方、小田氏は調査中に2024年4月に生命科学研究科教授(無期雇用)に昇進した。昇進時の研究科長は小田氏と共同研究者関係にあり、JIP関連で約1億8000万円の研究費を取得していた。
  • 2026年3月31日、京都大学は調査結果を公表した。小田氏による2021年論文のFigure 2A・2Bの改ざんを認定したが、「研究の進展への影響は低い」と判断。論文撤回ではなく訂正を勧告した。
  • 大学側は小田氏個人の不正と認定したものの、処分は科研費などの申請制限3年間にとどまり、既存の研究費返還は求めていない。小田氏の昇進や資金獲得に影響を与えなかった。

  • SlowNewsの須田桃子氏によるスクープ記事(2026年5月12日公開)で、告発者の孤立・雇い止めや調査の矮小化が詳細に報じられた。

  • 「告発者がクビになって不正者が教授昇進とは京大の女子枠か」「小保方事件の再来」「3億円研究費を税金で支えながら改ざんを軽く見る大学はおかしい」との批判が爆発的に広がった。

  • 「育児を理由に、ついデータ改ざんに手を染めてしまったということのようだ」という大学の言い分を皮肉り、大学の研究への冒涜に怒り心頭の声が相次いだ。ほかにも「トカゲの尻尾切りで終わる典型」「不正による業績で得た地位や資金は返還すべき」との意見が目立つ。
  • 一部では「再現性が確認されていない研究を、そのまま医療応用へ進めるのは極めて危うい」との懸念や、キャノン財団などの民間助成金継続に対する疑問も上がっている。

この事件は、研究不正を認定しながら大学が当事者を守り、告発者を排除する構造を露呈した。京都大学は再発防止を掲げるが、内部告発者保護や不正論文の責任追及が不十分だとの指摘が強い。公的研究費を投じた成果が改ざんに基づいていた場合、国民の信頼回復のため抜本的な改革が求められる。

京都大学HPより

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント

  1. 早川蒼真 より:

    これは文部科学省の威信に関わる、極めて深刻な事案です。
    正しいことをして内部告発をした研究員が隔離された挙句に雇い止めになるなど、学術機関として絶対に許されない異常事態だと思います。

    許せないのは告発者への報復です。「ラボを潰したいんですか」と恫喝され、プロジェクトを取り上げられ、隔離スペースに追いやられ、最終的に雇い止め——これは典型的かつ超悪質なパワハラそのもので、公益通報者保護法の精神を真正面から踏みにじっています。ここまでやられて、次に不正を発見した若手研究者が告発に踏み切れるでしょうか。答えは明白で、誰も告発しなくなります。結果、日本の研究界全体が腐っていきます。

    しかも京大の判断は「泥棒が泥棒を裁く」ようなもの。これでは「不正をやり得」の前例を作るだけです。

    必要なのは、第三者による徹底調査、不利益を被った告発者への具体的な被害回復、そして隠蔽体質の大学への強力なペナルティです。

    はっきり言って、今回の件は単なる研究不正の枠を大きく超えています。超悪質なパワハラで相手を失職させたのだから、

    – 小田裕香子教授は1000万円を告発した研究員に支払う
    – 京都大学も1000万円を告発した研究員に支払う

    ——この形で文科省が強い圧力をかければいいと思います。告発した側に金銭的にも実質的にも報いる制度設計をしない限り、こんな事案を野放しにしたら、誰も告発しなくなります。

    小保方事件から何も学んでいない。今回の件で一番深刻なのは、論文改ざんを告発した研究員が結果的に職を失った点であり、これは研究倫理の問題を超えて、内部告発者保護の根幹に関わる重大問題です。「学内調査中です」で何年も放置するのは、あまりに不誠実です。

    不正を軽く扱う大学ではなく、不正を告発した人間を守る大学でなければ、公的研究費を預ける国民の信頼は戻りません。我々の血税なんだぞ。それを忘れるな。

    第三者による徹底調査は必須ですね。そうしないと世界から「日本て小保方事件を繰り返すような国なんだね」という目で見られますね。

  2. アバター画像 佐藤 鴻全 より:

    これって学長、少なくとも研究科長辞任もんなのでは?
    それから、

    一緒にして欲しくありませんっ‼ by おぼこ
    https://x.com/Kozen_Sato/status/2054805030369395107

    という声が聞こえたような気がした・・・