トランプ訪中は、まるで中身のない外交セレモニーだった。昨年は関税で中国と戦う姿勢を見せたトランプが、その武器を最高裁に封じられ、逆に中国からレア・アースで脅されて屈服した。
台湾については明言を避けたが、初めて「独立は容認しない」という方針を表明した。この写真は、トランプの弱い立場を象徴している。

トランプは訪日の要請を無視した
高市首相は今回の訪中の途中で日本に立ち寄るよう求めたが、無視された。高市政権は対中強硬を掲げ、台湾有事や経済安全保障をめぐって米国との連携を前面に出してきたが、当のトランプは、日本の頭越しに習近平氏との直接取引に動いた。
トランプ外交の本質は、理念ではなくディールである。民主主義陣営の結束や同盟国との信頼よりも、自分にとって得になる取引を優先する。中国に強硬な言葉を投げつけても、習近平氏との合意で「勝利」を演出できるなら、同盟国の事情など後回しにするだろう。
空回りする高市氏の対中強硬外交
高市首相にとってこれは痛烈な現実である。米国に寄り添えば安全保障が強化される、対中強硬路線を取ればワシントンが支えてくれる――そう考えていたとすれば、あまりに甘い。トランプ氏にとって日本は「同盟国」ではなく、「負担を押し付けられる相手」であり、「利用できるカード」にすぎない。
この写真が象徴しているのは、トランプ氏が習近平氏に頭を下げたという単純な話ではない。日本が米中の大国政治の中で、再び脇役に追いやられつつあるという現実である。
高市政権が問われているのは、米国に従属しながら中国に対抗するという矛盾した戦略を、いつまで続けるのかという問題だ。「トランプは中国に厳しい」という幻想は、もう捨てた方がいい。写真に写っているのは、習近平氏にひれ伏すトランプ氏の姿であると同時に、その背後で置き去りにされる日本外交の姿でもある。







コメント
記事の指摘は鋭いです。
しかし「習近平にひれ伏した」「屈服した」というトランプ評については、一面的すぎると思います。
アメリカが昔も今も望んでいるのは、台湾海峡における「現状維持(ステータス・クォ)」ただ一つです。
これはニクソン以来、クリントン、ブッシュ、オバマ、バイデンに至るまで、党派を超えて一貫してきた原則であり、中国による武力統一も、台湾による一方的な独立宣言も支持しない、というのがワシントンの本音です。
その視点から見れば、トランプ氏が「台湾独立は容認しない」と述べたことを「屈服」「弱さの象徴」と解釈するのは的外れではないでしょうか。
バイデン政権も同趣旨を繰り返し明言してきました。
これは譲歩ではなく、歴代政権の標準的立場の再確認にすぎません。
また、中国が侵攻した際に米国がどう動くかを明言しない点を「弱腰」と断じるのも誤りだと思います。
これは「戦略的曖昧さ」と呼ばれる、長年機能してきた抑止戦略そのものです。
明言してしまえば、中国側に「ここまでなら大丈夫」というラインを与えてしまう。
曖昧にしておくからこそ、中国は冒険主義に走れず、同時に台湾の突出も抑えられる。
これは弱さではなく、計算された政策です。
★ただし、トランプ氏が訪日要請を無視したという指摘自体は、確かに重く受け止めるべき点だと思います。だからといって「日本が脇役に追いやられた」と過度に悲観するのは早計です。誰が大統領であれ、アメリカは現状維持と戦略的曖昧さという二本柱を維持する蓋然性が高い。これは党派や個人を超えた国益判断だからです。
★日本に必要なのは、感情的に米国追随か反米かの二者択一で揺れることではなく、自国の防衛力を冷静に積み上げていくことではないでしょうか。一枚の写真から「ひれ伏した」と読み取って外交全体を悲観するより、構造を見据えた議論をしていきましょう。
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