日経新聞が日本円の実質実効為替レートがトルコリラを下回り「最弱」となったと報じた記事に対し、高橋洋一嘉悦大学教授が「GDP が伸びて、税収も伸びて株価も高くなり、何が不満なのか、日経さん、悔しいのお」とXに投稿したところ、強い反発が起きている。

高橋洋一氏Xより
インフレでGDPがのびてグローバル企業の株価が上がってインフレでどんどん国民の生活は苦しくなって何でそんなに嬉しそうなの? https://t.co/OMmNZrjvJQ
— 【永江の新垢】Web系コンサルタント兼マーケッターのai使い (@IssekiNagae) May 26, 2026
アベノミクス前の2012年の名目GDPは6兆ドルだった。それが今では4兆ドルに。円の暴落でGDPは縮小している。
— 凱風快晴 (@9EY70T8igVhTYN3) May 27, 2026
ドル円200円 日経10万円
物価50%高で庶民生活は窮乏…
になっても「ウハウハ」喜んでそうだな…。— しごとにん (@isunjp_21) May 27, 2026
インフレで国民が貧しくなってるのに?
あなたは国民の敵?— 😈のポンちゃん 馬鹿カモン!モード (@ponpon4183) May 27, 2026
名目上の経済指標だけを強調する高橋氏の発言は、円安による物価高と実質購買力の低下に苦しむ庶民の声を無視したものだとして、学者としての資質を疑問視する声が相次いでいる。
- 高橋氏の発言は名目GDPや税収、株価の上昇を根拠に円安を肯定的に捉えているが、SNSユーザーからは「名目GDPが伸びているのはインフレによる物価高騰の影響で、実質GDPはほとんど伸びていない」との指摘が殺到している。
- 実質賃金が4年連続でマイナスとなっている現状を挙げ、「給与は上がらないのに物価だけが上がる中、株価上昇の恩恵を受けているのは一部の大企業や投資家だけだ」との批判が広がっている。
- 円の購買力がトルコリラ以下に落ち込んだ点について、「通貨価値の目減りは国民全体の資産を削るもので、GDPや税収の数字でごまかせる問題ではない」との意見が多数寄せられ、高橋氏の認識を「机上の空論」と切り捨てる声が目立つ。
- 過去にナフサ不足を「消費者が買い占めている」と発言した高橋氏の言動を蒸し返し、「今回も庶民の生活実感を無視した的外れなコメントだ」との非難が相次いでいる。
- 「嘉悦大学の教授として大丈夫か」「経済学者なのにインフレの悪影響を理解していない」との辛辣な評価が続き、時計窃盗事件の過去も引き合いに出して信頼性を疑問視する投稿も少なくない。
- 「通貨錯覚による偽りの繁栄を美化している」と分析され、円安が輸入インフレを加速させ貧富格差を拡大させている実態を高橋氏は直視すべきだとの指摘が共通している。
高橋の発言は経済指標の表面的な数字にこだわり、円安がもたらす国民生活の苦境を軽視したものとして、厳しい批判を浴びている。真の経済政策とは国民の実質購買力向上にあるはずであり、こうした高橋氏の考えが政権に影響を与えることへの懸念が今後も続きそうだ。
GDP が伸びて、税収も伸びて株価も高くなり、何が不満なのか、日経さん、悔しいのお https://t.co/HCXiAjPwwW
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) May 26, 2026

高橋洋一氏動画より







コメント
まず第一に考えなくてはいけない点は、高橋氏が「円安を肯定的にとらえている」点を批判されているのですが、では高橋氏を批判する人たちは、「円高にすべきか」と問われた場合にどのように答えるのでしょうか。円安を肯定的にとらえていけないなら、「円高にすべき」と主張するしかないのですが、そうした場合に何が起こるか、きちんと理解されているのか、甚だ怪しいように私には思われます。
なぜなら、為替水準というものは、基本的に、各国の経済力がバランスするように決まるものであって、金融政策や為替介入である程度は操作できるのですが、長い目で見れば無理がある。その無理を投機筋に付け込まれると、国家レベルで大きな損失を招くのですね。
日本の為替の問題は、1985年のプラザ合意以後の行き過ぎた円高に端を発しております。この当時意識された為替水準は1ドル165円程度だったのですが、1ドルが150円を割る水準にまで円高が進んでしまいました。その結果、「失われた30年」とも呼ばれる長期にわたる国内経済の落ち込みが生じました。輸出に頼れない中での不況対策として「外需から内需へ」の掛け声の下、国債発行による国内公共投資を積み上げた。
さすがに国債発行残高が700兆円を超える見通しとなり、何時までもこれを続けることがが無理と分かった結果、小泉行財政改革(聖域なき改革)へと走り、国債発行残高の増加にストップがかかったところまでは良かったですが、国民に痛みを与える政策がいつまでも続けられるわけもなく、小泉以後の三代の短命自民党政権の後、民主党政権へと交代することとなったのですね。
ところがこれがまた最悪で、リーマンショックの後、各国が量的金融緩和を進める中、我が国はこれに出遅れ、為替は1ドル80円を割る超円高へと進んでしまいました。この結果、国内の工場は海外に移転し、我が国の雇用は失われ、法人税収入も落ち込み、税収が国債発行による収入以下となる、危機的状況へと至ったわけです。で、最後の野田政権の打った手が「消費税増税」だったのですね。
この経緯を反芻すれば、今ここで、「物価を下げるために円高にしてください」などと言えるわけがないことはよくわかります。そのためには、金利を引き上げ、各国が我が国の債券を買うようにすればよい。これ、「円建ての債券が売れる」と言えば聞こえは良いのですけど、何のことはない、海外への借金を増やしていることと同義なのですね。
日本国民の生活を豊かにしようと思うなら、日本人が日本国内で稼げるようにすることが一番です。借金を増やすような政策は、目先は良いのですけど、何時までもこんな調子を続けられるわけもない。失われた30年がそうした借金生活だったのですが、それでは回らなくなったのが、昨今の円安の一つの要因なのですね。それを明確に示しているのが、国債発行残高であるわけです。
ではどうすれば、日本人が日本国内で稼げるようになるか。高橋洋一先生も、これをはっきり言わないから誤解されます。もちろん、先生ぐらいになりますと、こんなことは言うまでもない、あたりまえの話なのでしょうけど、基本的に経済政策でできることは、金利を下げて、国内の投資を活発にすること、自国通貨の交換レートを下げて輸出競争力を増すことなのですね。つまり、「ウハウハ路線」こそが正解、ということになります。
もちろん、今日の日本には、それ以外の問題が山積しております。何分、長期にわたって続いたデフレの時代、世界的にはインフレ率2%が一般的だったところ、我が国はほとんど±ゼロが続いておりました。さすがに40年もこれを続けますと、日本の物価は複利で半減、日本は物価の安い国と相成るわけですね。
日本人は、40年にわたる生活のしやすさを満喫してきたのですが、こうなりますと、人間ナマケモノになる。新しい技術へのチャレンジを怠り、静かな退職という手抜き仕事が横行する。これでは、特に先端分野で国際競争に勝ち続けることは難しくなる。もちろん、過去の蓄積がものをいう最初の内はやっていけるのですが、だんだんこれも厳しくなる。これが、昨今の円安のもう一つの要因だと考えなくてはいけません。
こちらの問題を正すためには、日本人はもっとまじめに仕事をしなくてはいけない。どうすればそうなるか。これは、口で言ってどうこうなるものでもないのですね。人がまじめに仕事をする、最大の要因は、経済的な困窮、これに尽きます。世の中良くしたもので、この対応は、だれが何を言わなくても、自然に発生するのですね。そうやって人類は生きてきた。この効果を大いに活用しなくてはいけないし、妨害するようなことは避けなくてはいけません。
何がこの効果を台無しにするかと言えば、甘やかすこと。生活が苦しいという声に、ホイホイと応えて補助金を出したりしては不味いのですね。もちろん、生命の維持に問題があるような事態は避けなくてはいけませんけど、怠け者に安楽な生活をさせるようなことは避けなくてはいけない。そんなことを続けておりますと、事態は悪化の一途をたどってしまいます。
まあ、生い先の短い高齢者であればそれでも良いのかもしれませんけど、未来のある人たちは、間違ってもこんな道を志向してはいけません。
昔の人は良いことを言っております。「天(God)よ、吾に七難八苦を与えたまえ。」立派な心掛けです。