高市首相と城内経財相のタクシー議連がライドシェア解禁をまた先送り

ライドシェアの全面解禁が、またも先送りされた。政府の規制改革推進会議は6月29日に答申をまとめたが、ライドシェアについては「諸外国の事例及び各地域のニーズを踏まえ、必要な取組を進める」と記すにとどまった。

日本経済新聞

ライドシェアを「白タク」と呼ぶ城内氏

焦点となったのは、タクシー会社以外の事業者によるライドシェアを認めるかどうかだった。国土交通省や自民党のタクシー・ハイヤー議員連盟は、これまでも全面解禁に慎重な姿勢を崩していない。

とりわけ問題なのは、高市早苗首相と城内実経済財政・規制改革担当相が、この議連の中心になっていることだ。城内氏は規制改革を担当する閣僚でありながら、国会質疑では国際標準のライドシェアを「白タク」と呼んだ。(内閣官房)

日本で2024年4月に始まった「日本版ライドシェア」は、タクシー会社の管理下で地域や時間帯を限定して一般ドライバーが運行する制度で、タクシー会社の外部委託にすぎない。料金もタクシーと同じだ。

今回の答申では、日本維新の会がライドシェアの本格導入を求めたことで、かろうじて「ライドシェア」の文言は残ったが、改革の迫力はない。安全確保、事故時の責任、運転手の労働環境を理由に挙げるが、利用者が直面している「移動の足不足」への危機感は乏しい。

高市政権は「成長戦略」と称して、AIや半導体など17の戦略分野に官民投資を呼び込む成長戦略を打ち出しているが、成長に必要なのは財政出動ではない。ライドシェアのような分野で規制を撤廃し、新しい市場を生み出すことだ。

世界は「ロボタクシー」へ

世界はすでに次の段階へ進んでいる。イギリスでは自動運転タクシーや自動運転バス型サービスの実証・運行に向けた動きが始まっている。アメリカや中国の企業は、ロボタクシーの競争へ移っている。日本がタクシー会社の管理下に限るかどうかで足踏みしている間に、世界の移動サービスはライドシェアの先へ進んでいる。(GOV.UK)

もちろん、安全性や事故時の責任を軽視してよいわけではない。しかし、それは制度設計で対応すべき問題であり、全面解禁を拒む理由にはならない。保険、運転者登録、車両検査、評価システム、運行データの保存などを義務づければよい。海外で普及しているサービスを、日本だけが「危ない」と決めつけて封じ込めるのは説得力に欠ける。

日本型ライドシェアも、政治家、官庁、業界団体が結びつき、利用者の利益より既得権益を優先する縁故資本主義である。タクシー不足に悩む地方、高齢者の移動、観光地の交通難、深夜の帰宅困難。これらの現実よりも、業界団体への配慮が優先されるなら、高市政権の掲げる成長戦略は看板倒れに終わるだろう。

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