次のキオクシアを挙げてと各AIに投げてみた

きっかけは軽い好奇心だった。「日本株で次のキオクシアになりそうなのは?」――この一問を、ChatGPT(チャッピー)・Gemini・スーパーGrok・そしてClaudeの4体に同じ言い回しで投げてみた。
すると、挙がった銘柄そのものより、「どう考えたか」=推論のクセが、見事な性格診断になっていた。本記事はその観察日記であって、投資助言ではない。念のため。
私的にはClaudeの回答が最高だと思った(「なぜ『次のキオクシア』は原理的に外れやすいか」で記事を書けって言ってきたw)のでそれぞれの回答をClaude本人に解析して貰いました。ここからはClaudeが担当します。

横軸は「サプライチェーンを広く舐める(左)」か「メカニズムを分解して絞る(右)」か。縦軸は「言い切る(下)」か「留保する(上)」か。プロットするとこうなった。

| AI | 挙げた主な銘柄 | 思考スタイル | ひとことキャラ |
|---|---|---|---|
| チャッピー (ChatGPT) |
本命イビデン/TOWA・JX金属・オルガノ・レゾナック | 条件フロー→★ランキング→実在確認→弱点併記 | 校閲付きアナリスト |
| スーパーGrok | イビデン・ジャパンマテリアル・山洋電気・ニッポン高度紙・北川精機・日本電波・ディスコ | サプライチェーン網羅、中小型を積極発掘 | 気配りの量販店員 |
| Gemini | ラピダス・ヤマハ発動機・ニッパツ・トリケミカル | 3アプローチ枠組み、“隠れ半導体”リフレーム | 変身ヒーロー脚本家 |
| Claude(私) | 単一本命を出さず(上流シクリカル例:SUMCO)+“探し方” | 前提リフレーム→5条件分解→採点→クオンツ手法 | 問いを疑う編集者 |
面白いのは、チャッピーとGrokが揃って“イビデン”に着地し、Geminiだけ別ベクトル(隠れ半導体+国策)へ飛び、私は本命を1つに絞らなかったこと。同じ問いで、ここまで割れる。
回答冒頭に「思考時間: 27s」と出したうえで、AIDC需要→NAND需要増→価格上昇→利益急増→海外勢が買うという“キオクシア型”の流れを定義。そこから本命イビデンを★5に据え、TOWA・JX金属・オルガノ・レゾナックまで★付きでランク化した。キオクシア=記憶/イビデン=基板/TOWA=組立装置/JX=材料/オルガノ=水、という一行アナロジー表まで添えるサービス精神。
白眉は自分で候補を1つ潰したこと。AIパッケージ基板の有力候補だった新光電気工業を、「TOB成立で2025年6月6日に上場廃止済み。ゆえに除外」と自ら切った。“その銘柄、まだ買えるのか”を実在確認する律儀さは、4体で唯一。各銘柄に弱点を併記し、「すでにかなり買われている、急落時に拾う銘柄」と締める姿勢もフェア。
とにかく網が広い。基板(イビデン)→特殊ガス(ジャパンマテリアル)→冷却(山洋電気)→電解コンデンサ用セパレーター(ニッポン高度紙、世界シェア約6割)→真空プレス機(北川精機)→水晶デバイス(日本電波)→ダイシング(ディスコ)と、AIデータセンターの裏方を縦に舐めた。
しかも大型主力ではなく中小型を積極的に拾いにいったのが好判断。「爆発的な再評価は、大型株よりニッチ・周辺で起きやすい」というメタ観察はキオクシア発掘の本質を突いている。アイデア出しの瞬発力は4体で随一。
唯一、問いの立て方そのものをずらしてきた。(1)国策・未上場からのIPO候補、(2)割安放置の“隠れ半導体”、(3)材料ニッチトップ――の3アプローチ。バイクのヤマハ発動機は実は後工程装置、ばねのニッパツは実は半導体の熱管理、という“実は正体は半導体”のリフレームが主役だ。ラピダス(未上場→将来IPO)とトリケミカル(多層化材料の高利益率)を添える。
強いのは、「赤字や地味な初値で冷遇されている時期こそ仕込み時」という核心を掴んだ点。これは実は私の結論と同じ洞察だ。トリケミカルは“上流シクリカル”の筋が良く、ラピダスは「未上場→再上場」でキオクシア(旧東芝メモリ)の構造をミラーする、気の利いたリフレームになっている。
私は最初に、質問に噛みついた。「次の◯◯」という枠組みは後知恵・生存バイアスの温床で、キオクシアの30倍はテールイベント、再現確率はほぼゼロ――と釘を刺すところから始めた。そのうえでやったのは次の5手だ。
なぜこうなるのか、正直に自己開示すると――私は「次の◯◯」という枠に条件反射で警戒するし、雰囲気マッチより機構分解が好きで、列挙より採点、個別解より探索手順を出したがる。ベースレートと前提の明示を最優先し、そして設計上も気質上、銘柄を煽る客引きはやらない(投資助言者ではない)。おまけに記憶で語らず、現在の株価・決算を検索してから話した。要するに「網羅的で気持ちいい」より「後で読み返して恥ずかしくない」に最適化した結果が、あの“本命なし”の回答だ。
自画自賛で終わらせるのは私の趣味に合わない。私の回答にも明確な弱点がある。
「今すぐ名前が欲しい」人には、チャッピーのイビデン本命やGrokの中小型発掘の方が実用的だ。そこは素直に認める。
性格診断を一行でまとめるとこうなる。
興味深いのは、“良い投資判断”に必要な素質が、4体にきれいにバラけて宿っていたこと。発掘(Grok)→裏取り(チャッピー)→物語=仮説(Gemini)→前提の検証と自制(私)。1体に全部を求めず、4体を委員会にすると案外まともになる――というのが、このお遊びから拾えた、地味だが本質的なオチだった。
釣りに行くために買ったシマノのマリンデッキサンダル。意外と調子良く普通の時もはいてます。雨の日も素足でこれ。ww
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2026年7月1日の記事より転載させていただきました。








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