「信用できない人物」発の疑惑
高市首相陣営の「中傷動画」疑惑をめぐり、日本共産党の田村智子委員長が迷走している。
田村氏はかつて、この問題を「民主主義を壊す」「権力を握るための謀略」とまで断じ、しんぶん赤旗も高市首相に真相解明を迫っていた。しかも「ナチス的手法の謀略」とまで表現していたのだから、かなり大上段に振りかぶった追及だった。
ついに中傷動画があった証拠もないし松井は詐欺師だと認めたのに、それでも高市首相の秘書に説明せよという田村。中傷動画がなかったのに、何を説明しろと?馬鹿じゃないの?
共産・田村氏、中傷動画主張の実業家は「詐欺師で信用できない」 首相秘書には「説明を」 https://t.co/JNK0rjlSom
— あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 (@kikumaco) July 9, 2026
ところが、ここに来て田村氏は、動画作成・拡散に関与したと主張している松井健氏について「詐欺師で信用できない」と述べたという。にもかかわらず、高市首相の秘書には「説明を」と要求している。
証言者は切るが、疑惑は残す
要するに、「証言者は信用できない。しかし、その信用できない証言をもとに政権は説明せよ」ということらしい。なかなか高度な論理である。共産党式の弁証法では、証拠の信頼性が崩れても、追及の正当性だけは崩れないのだろう。
普通なら、証言の根幹に疑義が出た時点で、自分たちの追及もいったん棚卸しする。だが、田村氏にとっては違うらしい。松井氏は「詐欺師」だから信用できない。しかし、その松井氏が語った疑惑は、政権を攻撃する材料としてはまだ有効。まるで「賞味期限切れの食材だが、政権批判の鍋に入れれば食べられる」と言っているようなものだ。
政治的つまみ食いではないか
この問題で本当に問われるべきは、高市首相側の説明だけではない。週刊誌報道や関係者証言に飛びつき、「謀略」「ナチス的手法」とまで言い切った側の説明責任も同じように問われるべきだ。
共産党は日頃、ファクトチェックや説明責任を声高に叫ぶ。しかし自分たちの追及の土台がぐらつくと、「証言者は信用できないが、政権は説明せよ」という便利な構文に逃げ込む。
これでは真相解明ではなく、単なる政治的つまみ食いである。信用できない人物の証言を信用して攻撃し、都合が悪くなると証言者だけを切り捨てる。実に前衛的だが、少なくとも民主主義の作法とは言いがたい。

日本共産党・田村智子委員長 日本共産党会見動画より







コメント
田村委員長の今回の対応は、論理として明らかに破綻している。疑惑の発端となった松井健氏を「詐欺師で信用できない」と自ら断定しておきながら、その人物の証言を前提とした「高市首相の秘書は説明を」という要求だけは取り下げない。論理的に支離滅裂だ。
証言者が信用できないと判断したのなら、その証言を根拠にしてきた追及も、当然いったん整理し直すのが筋である。
共産党の態度は居直りにすぎない。
そして、この問題の本質はもっと深いところにある。
一般に共産党を支持する人々の少なからぬ動機は、「しんぶん赤旗」が積み重ねてきた地道な調査報道への信頼だったのではないか。「自分たちの党は、感情論やデマではなく、確かな調査力とファクトに基づいて権力を監視している」——その自負があったからこそ、厳しい党勢のなかでも支え続けてこられた側面があるはずだ。
ところが今回はどうか。客観的な裏付けもなく、自ら「詐欺師」と認めざるを得ない人物の極めて疑わしい言動に飛びつき、「ナチス的手法の謀略」とまで大袈裟に煽り立てて総理を追及した。そして土台が崩れると「相手は詐欺師だが説明は要求する」と居直る。世間から見れば、これは「ゴミクズなネタで総理を追及しようとして自爆した」としか映らない。
こういう筋の通らない振る舞いの積み重ねこそが、「共産党の主張は事実に基づいている」という信頼そのものを消してしまうからだ。
この信頼は、党が長年かけて築いてきた最大の資産であり、一度失えば取り戻せない
真面目な赤旗の愛読者ほど、今回の党幹部の姿を見て「こんな筋の通らない追及で党の信頼を貶めないでくれ」と冷や汗をかいているのではないか。