なぜ御徒町に惹かれてしまうのか?

内藤 忍

山手線に御徒町というマイナーな駅があります。読めない人がいるかもしれませんが「おかちまち」です。上野の隣駅で決してオシャレな街ではありません。上野駅まで高架下に続くアメ横があって、その周辺の混沌とした雰囲気が、エスニックで昭和の匂いを色濃く残しているのがたまりません。

そんな御徒町の魅力は何といってもマニアックな食文化です。

駅前にあるスーパー吉池はその圧倒的な品揃えにいつもワクワクします。珍しい鮮魚や魚介が並ぶ一階の活気は、見るだけで好奇心が刺激されるエンターテインメント空間です。

ここで魚介を買って自宅で食べることも少なくありません。この日は牡丹海老、生牡蠣、はまぐりを買って、はまぐりは鉄板焼きにして食べました。

また吉池の地下の食品売り場にも普通のスーパーでは売っていないような商品がたくさん揃っています。今回も珍しい納豆をまとめて買っておきました。

吉池だけではなく、周辺にある飲食店も魅力的です。

上野駅に近いエリアには「文楽」「大統領」といった激安の大衆酒場があり昼間から多くの人で満席です。またアメ横にある「魚草」と言う立ち飲みのお店では新鮮な刺身と日本酒がリーズナブルに楽しめます。

ガード下にある「老酒舗」は中国に旅行に行ったかのような錯覚に陥る空間です。朝から本場の点心や粥を食べることができ、価格も極めて良心的です。近くにある姉妹店の「羊香味坊」はクミンをはじめとするスパイスの香りが強烈な羊肉串とナチュールワインが名物です。

そして小魏鴨脖(シャオウェイヤボー)では、合鴨の中華薬膳料理がテイクアウトできます(写真)。私は鴨の舌が大好物で中国では良く食べましたが、東京で食べられるのに感激しました。

東京なのに東京ではない。ディープなアジアの雰囲気がチープに味わえる御徒町は東京最強のエスニックエリアだと思います。

住んでみたい街では残念ながらありませんが、たまに行ってみたい街としての魅力は圧倒的です。

ただ最近は外国人観光客も増えて観光地化が進みチェーン店も増えてきました。京都の錦市場のように変な方向に走らずに今のディープな雰囲気をいつまでも保って欲しいと思います。

JAPANSKYLINE/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年7月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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