リモートワークには「ビジネス偏差値60以上」が必要

黒坂岳央です。

昨今、パフォーマンスの低下を理由に日本のみならず、世界的にリモートワークの解除が続いている。だがこうした動きに対して会社員からの反発は根強い。

「出社は通勤電車で無駄に疲れる」「会社だとむしろ仕事がやりづらい」こうした声がSNSやニュースのコメント欄に並ぶ。だが、これらの反論は本質的にズレていると感じる。

pain au chocolat/iStock

平均点でしか判断されない

企業が見ているのは個別のパフォーマンスではない。全社的に平均点が上がったか、下がったかだけだ。

企業は100人の社員がいれば、20人の生産性が上がり、50人が変わらず、30人が下がるといった分布の中で、全体の平均を見て制度を決める。見ているのは社員一人ひとりの個別パフォーマンスではない。

データドリブン経営を徹底する米国のITテック大手や金融機関が「リモートワークによって全社的にパフォーマンスが低下する」という測定結果を出した。会社にメリットがなかったので撤回、それだけの話である。

ビジネス偏差値60点という基準

そもそも、リモートワークで出社以上にパフォーマンスを出せる人は少数派である。仮に多数派であるなら、合理性を追求する企業はあちこちでリモートワークを導入する。そうしないということは、それだけ人を選ぶというスタイルという状況証拠である。

リモートワークで効率を上げるには、自己管理、文章力、報連相、自律性、信頼の合成スコアとしての「ビジネス偏差値」が60点以上必須である。SNSには「リモートワークで上手なサボり方」とか「チャットで何時間も返事が来ない」「隙を見て外出や家事をする」といったサボり報告が山ほど出てくる。こうした行動を取る層が企業のリモート撤回判断に直接寄与する母集団である。

一方でオフィスという環境そのものが、偏差値60以下の人にとって本人の自己管理能力の欠如を無意識に補正する。具体的には隣の席に人がいるだけで、サボりへの心理的ハードルが上がるし、聞けばすぐ答えが返ってくるので仮にテキストコミュニケーション力が低くても問題にならない。

「サボるやつは出社してもサボる」という意見もあるが、「出社すればサボらない」という人の方が多数派であり、全体の平均値を押し上げるので会社は「リモートワークをやめて出社に戻したい」といっているのだ。

偏差値は上げられる

誤解のないように言えば、この偏差値はスキルアップと経験で上げることができる。具体的には次の4点を常時実行できれば60点は超える。

・進捗を聞かれる前に自分から積極的に共有する
・文章だけで誤解なく、スピーディーに指示
・報告ができる
・締切に対して前倒しで動くか、遅れる場合は事前に申告する
・監視がない状態でも稼働時間は業務にコミットでき、サボらないという信用を獲得している

つまりリモートで生き残りたいなら、出社するよりパフォーマンスが高いと周囲に説得力を持つことである。


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働き方・キャリア・AI時代の生き方を語る著者・解説者
著書4冊/英語系YouTuber登録者5万人。TBS『THE TIME』など各種メディアで、働き方・キャリア戦略・英語学習・AI時代の社会変化を分かりやすく解説。

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