ジャングリア沖縄、来場者は計画の4割:「森岡神話」も正念場へ

沖縄県今帰仁村のテーマパーク「ジャングリア沖縄」が7月25日、開業1年を迎えます。沖縄北部の自然を生かした大型施設として鳴り物入りで登場しましたが、足元の来場者数は当初計画の4割程度にとどまっています。地元の期待を背負いながら、苦難の2年目に入ります。

石破首相も出席した記者会見 ジャングリアHPより

経済効果はあっても採算は別問題

開業後半年間の来場者は約65万人で、1日平均では約3500人でした。周辺での宿泊や飲食を含む経済効果は約322億円と推計されており、地域経済への貢献は無視できません。

一方、巨額の投資と維持費を抱えるテーマパークとして、現在の集客水準で採算が成り立つかは別問題です。

運営側は暑さ対策として屋根付き休憩所などを増設し、夏季限定で大人2970円の「ふらっとチケット」も投入しました。通常の1Dayチケットは6930円ですが、割安券では約3時間の滞在を想定し、対象アトラクションを一つだけ体験できます。沖縄美ら海水族館などと組み合わせて周遊してもらう狙いです。

顧客の旅行日程に合わせた柔軟な商品とはいえます。しかし、7000円近い料金で1日滞在してもらう構想から、3000円弱で短時間立ち寄ってもらうモデルへの修正は、当初の需要予測が楽観的だったことも示しています。

問われる森岡毅氏の「成功神話」

ここで改めて問われるのが、仕掛け人である森岡毅氏と株式会社刀の実績です。

森岡氏はUSJ再建の立役者として知られ、その後もネスタリゾート神戸や西武園ゆうえんちなどを手がけ、「成功請負人」として紹介されてきました。

しかし、森岡氏が独立後に立ち上げた「イマーシブ・フォート東京」は、2024年3月の開業から約2年後の2026年2月に営業を終了しました。運営側は、想定した大人数向け需要よりも少人数向けの濃密な体験に人気が偏り、施設規模が過大になったと説明しています。

需要予測と設備投資のずれという点では、ジャングリアにも通じる問題です。

このため、「既存の人気施設をマーケティングで立て直す能力と、ゼロから巨大テーマパークをつくる能力は同じなのか」「USJの成功物語が過大評価されてきたのではないか」と疑問視する声も出ています。

地方創生は採算の免罪符ではない

もちろん、テーマパークの成否を開業1年だけで決めつけるのは早いでしょう。地元の雇用や観光消費を生み出している以上、改善を重ねる意味は大きいといえます。

ただし、地方創生や地域の応援は、採算の取れない事業を永遠に支える魔法ではありません。2年目に必要なのは、広告による話題づくりではなく、暑さ、待ち時間、交通、料金に見合う体験という基本の改善です。

ジャングリアが立て直せるかどうか。それは沖縄北部の観光戦略だけでなく、「森岡毅氏なら客を呼べる」という森岡神話の真価を測る試金石にもなりそうです。

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