終わった国会、やり遂げ感はあったのだろうか?:自民党の内部分裂の懸念

今回東京で「飲み放題」を2度、経験しました。1度は1500円払えば飲み放題がついてくる、というものでもう1つは料理と飲み放題で6000円というすこし品の良いところ。結論から言うと1500円で飲み放題を買った店は「二度と行かない」。理由は料理の質が極めて悪く、金額不相応の料理に食べるものも食べず飲み続けるしか選択肢がありませんでした。あと、店中の客が皆、飲み続けているのでうるさくて会話ができないという弱点もありました。もう1つの店は料理の品数は知れており、特段珍しいものがあったわけではないのですが、一つひとつを丁寧に作っていて飲みながらの談笑には絶好でありました。それにしてもこの暑い最中、ビールが好きなだけ飲めるというのは実に魅力的ではあります。

では今週のつぶやきをお送りします。

日本人も「マネーがお好き」、になった!?

ひと昔前まではお金の話をするのは美徳ではないと道徳教育された日本。その後、90年代の金融ビッグバンから何度かの「マネーの新時代」を政府や民間が必死になって打ち出すも空振り。それが大きく変化した直接の引き金は新NISAだと思いますが、一部の大企業でベアが復活し、給与が大幅に上昇し、夏の賞与はゼネコンが200万円台になるなど我々の時代からは隔世の感があるほどの「大盤振る舞い」で一部のお勤めの方にはカネ余りが生じている気がします。

また新入社員の給与を大幅増にしてみたり、企業の退職金をなくしたり減らす一方で現役時代の給与を手厚くするなど給与体系の構造的見直しも少しずつ進んでいます。一言で言えば「働く世代にもっと与えよ、老後の生活資金は自分で稼ぎ出せ」であります。これは現役世代に否が応でもマネーに対する意識を植え付けるものであり、運用を意識せざるを得ないわけです。私の母親が「投資信託を解約したいのだけど銀行に付き合ってほしい」と。どれぐらいの利回りか見たところ、3年で年平均0.9%と散々の成績で普段お金にはあまり頓着しない母親が「増えなさすぎる!」と怒っているのを見て世の中、期待リターンの意識が高まっているのだと実感しました。

かといって容易な株式市場への手出しは禁物です。もちろん百戦錬磨だから勝てるというわけではありませんが、マネーの矛先は目先のニンジンに向かいやすく、それをくわえると毒が塗っていたということはしばしばあるのです。一般人は機関投資家ではないので「待つのも投資」というスタンスも取れるでしょう。正直、このところの相場は嵐の前の静けさ的な感じがします。夏休み期間なので市場は確かに材料不足ではありますが、荒れそうな予感がするので飛び乗り飛び降り投資は要注意です。

トランプ「汎用関税」第3弾、12.5%の関税の脆弱性

タリフマン、トランプ氏の関税政策は破綻しています。第1弾の相互関税が最高裁で否定され、1974年通商法122条を150日間の時限付きで採用、それが切れた今般、通商法301条に基づく「強制労働に基づく輸入品の関税」を一律で12.5%課しました。誰でも気がつく通り、「強制労働って何?なぜ日本も入るの?」であります。施行1日目にして民間企業から裁判を起こされ、海外からは強い不満や懸念の声が続出、たぶん、トランプ氏は裁判をしたらまた負けるとわかっていながら確信犯的にこの関税を施行したとみています。私から見れば倒産する会社が最後に自転車操業になるのと同じで次々と無理筋を通そうとして破綻していく最悪のパターンを見ています。

今回この関税を適用したのは60の国と地域でアメリカの貿易の99.4%をカバーします。では世界の主要国のほとんどが「強制労働」をしているのでしょうか?ちなみにILO(国際労働機関)やアメリカの労働関係法が定める法的な強制労働の類とは弱い者いじめ、移動の制限、労働条件の詐称、労働者の孤立化、暴力、威嚇、身分証の取り上げ、賃金不払い、債務奴隷、劣悪な労働環境、過度な残業であります。もう1つ重要なのはアメリカはILOの国際人権条約を批准していません。これはアメリカの囚人労働がこの国際基準を満たしていないからとされます。言い換えれば通商法301条を発効したいのはアメリカではなく、60の国と地域だろう、と言う話です。

とはいえ、裁判の結果が出るまでにはまだ当分時間がかかります。この関税がまたのちに否定され、払い戻しになる公算もありますが、私が見たのは貿易や通商関係者もこれだけルールがくるくる変わると業務戦略も苦労するだろうな、と言う点です。トランプ政権には自助作用はなく、親分の言った通りのYESMANばかりをよく集めたな、と思います。その点では私にはベッセント財務長官は近年まれに見る最低男だと思っています。こういう男をヒラメと言うのです。権力にしがみつき、どんな不条理なことでも「おっしゃる通りです。ご指示の通りにいたします」。これって大統領による官僚への強制労働じゃないのですかね?

終わった国会、やり遂げ感はあったのだろうか?

最近の政治に文句ばっかり言っているようで申し訳ないですが、最後の最後に通した副首都法案には「あっ、そう」との感想しか述べられませんでした。会期延長した今国会の最終日は金曜日ではなく今日、土曜日で予備日という括りでした。これは何を意味するかと言えば副首都法案がもめて金曜日の決議が夜半にかかり12時を回った場合のルール上のバックアップでありました。つまり法案成立が夜半になるかもしれないというリスクを事前に勘案したものです。

ヤフーのニュースサイトは私は見出しチェックだけで記事はほとんど読まないのに反高市氏のニュースがずらり。私がずっと言い続けてきたことに今更そんなことに気づいたか、ぐらいしか思っていないので読みもしませんが、最大の懸案事項、食品消費税の問題を秋に残してしまったことは今後、どのような判断をするにせよ、大揉めになることは確実であります。また高市氏が力を入れようとする経済安保についてはトランプ氏がまるで「明後日の姿勢」なので周辺国との調整程度に留まり、大きな成果が上がっているとは思いません。

高市首相 自民党HPより

日本の世論の怖いところはあるきっかけで反政府のボイスが急激に高まること。私が秋までには内閣支持率は急落するはず、と大分前に申し上げたのは国会運営のマズさに国民も夏の暑さ以上にイライラするだろうことは想定していました。今般の世論調査の支持率の低下傾向は始まったばかりで私の見立てでは9月-10月にかけてに各調査、更に10ポイント程度の下げは見込んでいます。それでも40-50%程度なら「昔よりましだろう」という見方もありますが、私は世論よりも自民党内の内部分裂がより明白になってくるであろうことに懸念を感じています。

後記
昨日は大学校友会の幹部会。16名ほどのコアメンバーと校友会本部から会長以下が出席しての討議と懇談。いつも出席していて思うのはまず出席率が常時9割以上。そして同じ大学出身者で平たい関係だということ。先輩後輩の敷居は昔ほどなく、ほぼ全員がタメ口。仕事している人もリタイアした人もみんな社会での肩書は関係なくフラットに議論し、懇親し、飲みに行くのです。校友会なんてごく一部の愛校精神の高い人たちの集まりだと思われていますし、どの大学も確かに校友会が活発なところは少ないです。だけど、何かイベントがあった時の動員力は普段の活動を積み上げてこその力だと思います。私の母校には卒業生が30万人いるのです。この力を結集しやすくするコミュ力と粘り強い活動とそれを支える組織運営は必ずどこかで役立つことがあると信じています。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年7月25日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。

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