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この記事では、政府の財産所得のうち利子(支払)の国際比較をご紹介します。
1. 日本政府の支払利子
国民経済計算(SNA)では、政府の財産所得が集計されています。
日本政府は国債残高が多い事が問題視されていたり、GPIFによる株式投資が話題となったりしていますね。
まずは、これらの日本政府の財産所得について、項目別の推移を眺めてみましょう。

図1 財産所得 日本 一般政府
国民経済計算より
財産所得は主に利子、賃貸料、法人企業の分配所得に分かれ、支払(マイナス側)と受取(プラス側)があります。
日本政府の財産所得は、受取も支払もその多くが利子です。
1990年代終盤までは、どちらも拡大傾向が進んでいましたが、その後は縮小しています。
金利の低下による利子所得の低下が確認できますね。
ただし、受取側については国内からの受取利子だけでなく、外国の国債保有による受取分もあったりと、支払ほどは減少していないようです。
また、2000年代以降は、受取側の企業の分配所得が徐々に拡大している様子が確認できます。
2023年には2.6兆円と、受取利子(6.2兆円)の4割ほどの規模に達しています。
一方で支払利子は7.8兆円で、正味の財産所得(純受取)はプラス化しています。
今回はこの支払利子について着目してみましょう。
2. 1人あたりの推移
ここからは、政府の財産所得のうち支払利子について国際比較していきます。
まずは人口1人あたりのドル換算値から見ていきましょう。

図2 利子 支払 1人あたり 一般政府
OECD Data Explorerより
図2が各国政府の支払利子について、人口1人あたりのドル換算値です。
日本は1990年代に比較的高い水準でしたが、その後低下傾向が進み、近年ではドイツやフランスと同程度となっています。
2022年以降は円安が進んでいますので、ドル換算値だと更に低下傾向が進んでいます。
一方でアメリカは近年急激に上昇していて、日本の10倍近くに達しています。

図3 金融資産・負債残高 1人あたり 一般政府 2021年
OECD.Statより
各国政府の金融資産・負債残高(ストック)について人口1人あたりのドル換算値を計算してみると、日本は負債のうち債務証券(国債)がアメリカに次いで多い水準です。
支払利子は国債残高・借入残高と金利の組み合わせになりますが、日本の場合は残高が多い割に金利が相対的に低い事も推測できます。
3. 1人あたりの国際比較
政府の支払利子について、最新の数値で国際比較してみましょう。

図4 支払利子 一般政府 1人あたり 2023年
OECD Data Explorerより
図4が2023年のOECD各国の国際比較です。
日本は441ドルで、OECD34か国中22位と国際的に見ても低い水準になります。
上位がアメリカ、カナダ、イギリスというのも特徴的ですね。
G7各国は相対的に高い水準です。
4. 対GDP比の推移
もう1つの比較方法として、経済規模を表すGDPとの比率でも見ていきましょう。

図5 支払利子 対GDP比 一般政府
OECD Data Explorerより
図5が主要先進国の政府の支払利子 対GDP比を計算した結果です。
日本は4%程度から徐々に低下が進み、直近では1.3%とフランスとドイツの中間程度の水準となっています。
一方で、アメリカやイタリア、カナダは一時期よりも大きく低下していますが、相対的に見れば高い水準です。
5. 対GDP比の国際比較
最後に対GDP比の国際比較です。

図6 支払利子 対GDP比 一般政府 2023年
OECD Data Explorerより
図6が政府の支払利子 対GDP比について、2023年の国際比較です。
対GDPだと上位はコロンビア、コスタリカ、ハンガリー等の国が占め、次いでアメリカ、イタリアとなります。
日本は1.3%で、OECD34か国中17位と中位になります。
1人あたりの水準が22位だったことに比べて、国際順位が上がります。
低位は所得水準の高い国が占めるのも特徴的ですね。
6. 政府の支払利子の特徴
この記事では、政府の支払利子についての国際比較をご紹介しました。
日本は国債残高が多い割に支払利子が少なく、金利の低い状況が確認できます。
今後は金利が上昇するとされていますが、政府の支払利子がどのような水準となて行くのか、注意深く見ていく必要があるかもしれませんね。
一方で、日本政府は金融資産も多く保有しています。
他国からの受取金利も相応の水準にあると見られます。
受取利子や、純受取額も気になるところですね。
皆さんはどのように考えますか?
編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2026年7月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。







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