悩ましい被災時のペットのケア

内藤 忍

熊本の地震は地震自体の被害だけではなく、酷暑が続く厳しい気候の中での避難所生活や後片付けもあり、将来の見えない中で精神的肉体的疲労は想像を超えるストレスだと思います。

エアコン、水、トイレ、お風呂と言った日常生活で当たり前の生活インフラがわずか数日であってもなくなってしまうことによる影響がいかに甚大であるかを思い知らされます。

そのような中であまり報道されていないように見えるのが被災地でのペットのケアです。もしかしたら人間の避難生活さえ十分にサポートする体制が整っていないのに、ベッドのケアを話題にするのは不謹慎と思われてしまうからかもしれません。

ペットを飼っていない人や、ペットが嫌いな人にとっては、ペットのケアなど考えている場合ではないと思う気持ちもよくわかります。私自身もペットと縁ができる数年前までは同じような気持ちを持っていたからです。

しかし、犬を飼うようになって初めて震災が発生した際にペットをどう守るかという問題を真剣に考えるようになりました。

そもそもペットを連れての避難には様々な壁があります。

例えば、避難所に連れて行くことは他の避難者のことを考えれば現実的には難しく、今回の熊本でも車中避難を選ぶ飼い主が多いのではないでしょうか。

しかし、40度を超えるような日中の暑さの中では車の冷房には限界があり、ベッドだけではなく飼い主自身の健康被害のリスクも高くなります。

でも、もし避難所にペット連れて行けたとしても室内で一緒に避難生活はできないでしょう。慣れない環境やたくさんの人がいる中での生活は人間と同じように大きなストレスとなります。

またペット専用のフードやトイレシートなどは後回しにされ、手元に届くまで時間がかかることも想定しておかなければなりません。

となると、避難所を利用したり食料やお水などの配布のような公的なサポートに頼ることなく、自力で有事対応ができるようにしておく必要があります。

まず考えるべきは住居です。大地震があっても住み続けることができる堅牢な家に住むことです。古い木造住宅や、崖地や地盤の悪い場所は避けることで、建物倒壊、火災、土砂崩れといった最悪の事態を回避できます。

そして断水、停電、ガスの遮断などがあっても対応できるバックアップインフラを自分で整えておくことが現実的です。水の備蓄、バッテリー電源の確保、カセットコンロの準備などです。

また、ペットフードやトイレシートをはじめとするペットの消耗品や薬などはストックを多めにして備蓄しておく必要があります。

人間1人であれば、怪我さえしなければ何とかすることができます。しかし、震災時のペットのケアについては平時からオーバースペックと思う位の準備をしておく必要があると感じました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年8月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

アバター画像
資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント