
大学入試の「女子枠」をめぐり、制度の拡大に自らの政策提言が貢献したと発信していたNPO法人Waffle理事長の田中沙弥果氏が、そのポストを削除していたことが2026年9月、明らかとなった。
田中氏は2023年4月30日、NHKの番組を紹介しながら、大学入試の推薦枠で女子枠が増えたことについて、「我々が政策提言をして骨太の方針に明記してもらったことが寄与しています」などと投稿していた。女子枠の実現を自らの成果として示す内容であった。

https://x.com/ivy_sayaka/status/1652654853976645632
(現在はアクセス不可能)
しかし、2026年9月4日現在、当該URLには「このページは存在しません」と表示されている。削除の時期と理由は明らかにされていないが、女子枠への差別批判が相次ぐ中で、制度への関与を示す投稿が削除された形だ。
一方、その直後に投稿された補足は現在も残されている。田中氏はそこで、「我々の提言で2021骨太の方針にIT分野や理工系分野においての学校推薦型選抜や総合型選抜に女子枠の設定について明記していただきました」と説明していた。田中氏が女子枠の導入を働きかけたと自認していた記録は残されている。
政府資料にも残るWaffle田中氏の差別関与
Waffleは2021年6月、田中氏が内閣府「若者円卓会議」の有識者委員として、IT・STEM分野の女子学生を増やす政策を提言したと発表している。同団体は、その提言が「骨太の方針2021」に反映されたとも説明していた。
同方針には、理工系で「学校推薦型選抜や総合型選抜に女子を対象とする枠」を設定する方針が盛り込まれ、内閣府も後の報告書で紹介している。
Waffleは2023年にも、提言などを通じて「理工系女子枠の新設」に寄与したと振り返っている。全国の女子枠が同団体だけの働きかけで成立したのかは必ずしも明らかではないが、制度を推進し、その成果を繰り返し公表してきたことは明らかになっている。
欧米では固定的な性別枠を違法な性差別として制限
欧米の主要法域でも、大学入試の固定的な性別枠は違法な性差別として禁止されるか、厳しく制限されている。
米国では、Title IXが対象大学の入学における性差別を原則として禁止している。連邦最高裁も1982年、州立の女子大学が男性の入学を拒否していた制度を違憲と判断した。女性が歴史的に差別されてきたとの一般論だけでは、男性を排除する正当化にはならないとされた。
英国でもEquality Act 2010が大学入試の性差別を禁じる。UCASの指針では、入学条件は一律ではなく個別に判断すべきで、他の受験生に不均衡な不利益を与える措置は違法となる可能性が高いと説明されている。
スウェーデンでも、特定の性別に一定数・割合の席を確保するクオータは認められないと、差別オンブズマンが明示している。積極的是正措置を認める国でも、性別が自動的な決定要因となる固定枠は手段として制限されている現状だ。
日本でも違憲の疑いが濃厚
日本国憲法14条は性別による差別を禁じている。教育基本法4条も、すべての国民は能力に応じて教育を受ける機会を与えられ、性別によって教育上差別されないと定めている。
国公立大学が男性であることのみを理由に出願を拒むことは、明白な性別取扱いである。固定枠の必要性、人数の根拠、より制限的でない代替策、終了条件が示されなければ、正当化は困難である。このため、国公立大学の女子枠は、憲法14条に反する疑いが濃厚となっている。
政策提言によって公的制度を変えたと発信する以上、推進者には、その政策が生んだ不利益についても説明する責任が存在する。ポストを消しても、政策への関与と説明責任まで消えるわけではないという声が多くの市民から寄せられている。
NPO法人Waffle理事長の田中沙弥果氏に対する批判は、今後いっそう高まりそうだ。








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