ここにきて日銀が堰を切ったように利上げの姿勢を鮮明に見せ始めました。9月の定例政策決定会合ではほぼ100%の利上げが見込まれ、12月か1月の会合で更なる引き上げも市場は織り込みつつあります。このところの急激な国債利回りの上昇や円ドル為替の円高修正の動きは9月の日銀の利上げ方針ではなく、その後も継続して利上げを行いそうだという日銀の強い姿勢を受けてのものであります。このブログでは先日、来春までに3度の利上げで1.75%までは行くのではないか、と申し上げました。何故来春なのか、といえばその後に日銀の政策委員が交代し、リフレ派に変わるのでやりやすいうちにやっておくという意図も感じるからです。

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さて、住宅ローンを抱えている人には「マジか!」という話でしょう。「こんなに上がるとは想定外」「この30年、地べたを這うような金利だったのに」という恨み節も聞こえてきそうです。更に新築住宅の価格上昇に伴い中古を含めた全体の価格が上昇していることもあり、「夢のマイホーム、破れたり!」という方もいらっしゃるでしょう。
ではどうなるか、少し考えてみたいと思います。
まず、原点に立ち返ります。住宅は住むところです。原則ひと家族一つの居住地が必要です。今、30歳の人が住宅を購入すると仮定します。30年前の出生者数は120万人です。独身で購入する人もいますが、一応、家族が購入するとすれば対象人数は120万人の結婚率50%で夫婦になるとその半分になるから30万戸。持ち家比率は61%で大きくは変わっていないので計算をしやすくするため60%としましょう。すると必要住宅戸数は18万戸であります。
ここで第一次取得者層の新築と中古の住宅の購入比率を見ると70%が新築を購入するとありますので18万戸の70%である13万戸がこの層の新築住宅の潜在需要になります。一方、昨年の新築住宅の供給数は70万戸あり、その差は57万戸あります。ここは何処に行ったのでしょうか?
まず70万戸には賃貸住宅も含まれます。持ち家比率は60%なので賃貸派が40%います。ここで30歳で結婚していない人は上記の計算でざっくり60万人いるので賃貸住宅への需要は24万戸と非常に多いのです。このあたりの計算は単純ではありません。というのはシェアハウスという居住形態があり、独身の方は一般的な賃貸住宅とシェアハウス型に分かれるためです。にもかかわらず賃貸住宅が32万戸供給されています。潜在需要に対して多すぎると思いますが、賃貸住宅では引っ越しが多く、新築の需要が極めて高いためにこのような数字になるのでしょう。
残りは買い替えです。終の棲家の考え方の人は84%で買い替え派が16%ほどいてその需要が10万戸、最後が外国人の投資家などが3万戸とされます。
これだけ見ると現在の新築供給数の70-80万戸(年によりばらつきます。)は供給過剰ではないのですが、今後、出生者数が減っていくので購入分も賃貸分も減少していくことになります。投資家の需要は4%程度で投資対象物件も極めて限定されているのでこれは除外して考えてもよいと思います。
では金利が上昇する中、住宅は買えるのか、と言われると世の中、億ションを買うパワーカップルに目が行きますが、あれは例外中の例外。通常の共稼ぎで7000万円ぐらいの住宅なら夫婦の所得合計が1000万円近くあればシュミレーション上はどうにか買えなくはありません。今、給与も上がっているのでこのあたりはまだ耐えられるギリギリにあると思います。
但し、購入後のローンの返済が家計に大きくのしかかるので心理的に少子化を促進しやすくなったり、一般消費にお金が回らなくなったりする可能性があります。また少子化で住宅需要が今後、漸減していくことを考えるとせっかく購入した住宅を将来売却しようとしても場所によってはかなり難しい状態が生じます。
くれぐれも申し上げますが、不動産が値上がりしていると言っても売りやすさは別の次元の話なのです。そして住宅価格の上昇は主に建築費高騰によるものであり、その部分は建物ですから減価償却され、マンションならば45年後には償却完了になるのです。つまり価値も大きく減価します。なので不動産をそこまで甘く考えない方が良いとも言えます。
そうは言っても新築マンションの売り出し価格は今後も継続して上昇していきますのでどこかで需要と供給のバランスが崩れ、第一次取得者層の手が届かないレベルに達するのでしょう。とすれば誰も住めないマンションになるのでデベロッパーも開発できず、供給も減るとみています。
じゃあお前はどうするのだ、と言われたら私はぼろい中古住宅でよいので戸建てを買います。そして頃合いを見て建て替える、です。なぜなら土地は減価償却しない、よって将来売却する時の不動産価値の減価率は変わってくるのであります。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年9月8日の記事より転載させていただきました。







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