拡大が続く日本政府の総所得 政府 第1次所得バランス(総)の国際比較

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この記事では、政府の第1次所得バランス(総)について国際比較をご紹介します。

1. 日本政府の第1次所得バランス

経済統計(SNA)では、付加価値分配に財産所得の純受取を加えたものが再分配前の総所得となる第1次所得バランスと呼ばれます。

第1次所得バランスは、家計、企業、政府などの部門ごとに集計、公開されています。

今回は、政府の第1次所得バランスについてご紹介します。

図1 第1次所得の配分勘定 日本 一般政府
国民経済計算より

図1が日本政府の第1次所得の配分勘定です。

付加価値(GDP)の分配として生産・輸入品に課される税を受取り、補助金を支払った後に、財産所得の受払いをした正味が第1次所得バランス(総)である事が示されています。

そこから更に固定資産の維持費用である固定資本減耗を差し引いたのが、第1次所得バランス(純)です。

日本政府の第1次所得バランス(総)は、増加傾向が続いていて、近年では過去最高を更新しています。

財産所得の純受取もかつてはかなりマイナス水準となっていましたが、近年では受取が増え、むしろプラス化している状況となっています。

2. 1人あたりの推移

ここからは、政府の第1次所得バランス(総)について国際比較をしていきましょう。

まずは人口1人あたりの水準から見ていきます。

図2 第1次所得バランス(総) 一般政府 1人あたり
OECD Data Explorerより

図2が主要先進国政府の第1次所得バランス(総)について、人口1人あたりのドル換算値(為替レート換算)のグラフです。

日本は2000年代までは他の主要先進国と同程度でしたが、その後の増加傾向が緩やかで、近年ではアメリカと同じくらいの低い水準となっているようです。

フランスとカナダが特に多いようですね。

また、2020年にはコロナ禍の影響とみられる大きな低下が各国で見られ、特にアメリカ、イギリス、カナダで影響が大きかった事が確認できます。

G7の中でも、アメリカ、イギリス、カナダとドイツ、フランス、イタリアで傾向が異なる事も多いですね。

3. 1人あたりの国際比較

つづいて、人口1人あたりの金額水準について、最新値の国際比較をしてみます。

図3 第1次所得バランス(総) 一般政府 2024年
OECD Data Explorerより

図3が2024年の国際比較です。

日本は3,912ドルで、OECD32か国中26位とかなり低い水準となります。 小さな政府と言われるアメリカが金額的にもかなり低い水準ですが、それをさらに下回ります。

福祉に力を入れていると言われる欧州諸国は軒並み高い水準です。

フランスでも9位というのも特徴的ですね。

上位には高福祉国家と呼ばれるスウェーデン、アイスランドなど北欧諸国が並びます。

4. 対GDP比の推移

続いて、対GDP比でも国際比較をしていきましょう。

まずは主要先進国の推移からです。

図4 第1次所得バランス(総) 一般政府 対GDP比
OECD Data Explorerより

図4が政府の第1次所得バランス(総)について、対GDP比の推移を表したグラフです。

主要先進国ではフランスが最も高く、アメリカが最も低いのが特徴的です。

多くの指標でフランスとアメリカが対照的な位置関係となりますね。

日本は1980年代のかなり低い状況から、上昇傾向が続いていて近年ではイギリスやドイツを上回り、主要先進国でも中程度の水準となります。

先にご紹介した通り金額水準としては低いのですが、GDP自体が低下していて、既に1人あたりGDPが低いわけですので、対GDP比で計算すると高い水準となるようです。

5. 対GDP比の国際比較

最後に対GDP比の国際比較です。

図5 第1次所得バランス(総) 一般政府 対GDP比 2024年
OECD Data Explorerより

図5が政府の第1次所得バランス(総)対 GDP比の2024年における国際比較です。

日本は11.6%でOECD32か国中24位となり、先進国の中では低い方となります。

フランス以外の主要先進国が軒並み低めの水準となっているのが印象的ですね。

中でもアメリカはメキシコと並んで極端に低い水準となっています。

上位には北欧諸国の他に、東南欧諸国も含まれています。

どの先進国も政府が多くの所得を確保している事がよくわかりますね。

6. 政府の第1次所得バランスの特徴

この記事では、政府の第1次所得バランス(総)について国際比較した結果をご紹介しました。

日本は政府の所得が拡大傾向ではありますが、先進国の中ではかなり少ない方になるようです。

他国はもっと政府の総所得が多く、再分配や政府の消費、投資に振り向ける原資が確保されている事になります。

大きな政府、小さな政府という分け方がありますが、少なくとも日本の場合は「フロー」面で見ればアメリカに近い小さな政府と言えるのかもしれませんね。

政府の付加価値もかなり低い事で知られています。

図6 付加価値(総) 対GDP比 一般政府 2023年
OECD Data Explorerより

政府については、今後再分配や消費支出についてもご紹介していきますので、是非注目してみてください。

皆さんはどのように考えますか?

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編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2026年9月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。

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