さぁ、臨時国会:言うほど安泰には見えない高市自民党

臨時国会が本日10月5日から12月12日までの69日間の会期で始まります。本臨時国会の最大の注目点が食品消費税、衆議院議員定数削減問題であり、国民の関心もいつも以上に盛り上がりそうです。また高市氏が内閣改造を行い、その手腕がどうなるかも見たいところではないでしょうか?

高市首相 首相官邸HPより

そんな中、タイミングも悪く、というよりさすが週刊誌は大事なネタを上手なタイミングでばら撒き、世の中の話題をさらっていく定石で今回もしっかり仕事をしました。新任の大臣は100%狙われ、叩けば何かしら出る、と言われる中で簗和夫農水大臣の「予算発言」を受けて野党は幸先よろしいと思っていることでしょう。

この簗発言、問題は3つあり、発言そのものが恫喝的であること、実際に2つの地方自治体の予算が簗氏が言ったとおりに削減されていることになぜそうなったのか説明がないこと、3つ目に高市氏が「やなちゃん!」とかわいがる高市氏の推し活ファンであることから高市氏への任命責任の追及が通常以上に出ることであります。

簗氏の記者会見を見ている限り「全くなっていない」わけで弁明の余地がない状態です。質問に対する返事をほぼ遮断し、説明責任を逃れた以上、国会での追及は相当厳しく、これをもしも政権が真っ向からかばい、対立する姿勢を見せるなら審議中断は当然起きる選択肢となり、時間にうるさい高市氏としては最後に白旗を挙げるのか、注目です。

農水大臣のポジションは閣僚の中で特に注目されているのはコメ政策が国民的話題になっているからであり、農水大臣がちょくちょく変わることでその政策のブレや不安定感があることも事実であります。そんな中で仮に簗氏が殆ど何もしないうちに交代となれば野党は更に勢いづく可能性はあるでしょう。

但し、国会が数の理論だとすればどれだけ野党が吠えようが「審議は最後は通せるもん」というスタンスがあるとすれば与党の相当の甘えだと思います。ご承知の通り、自民党内は実質的に分裂しており、党内の政治力学次第であります。その力学の頂点は御年86歳の麻生太郎氏であり、唯一の党内派閥の長でもあります。ただ、私は麻生氏の議員生活も残りがさほどあるわけではないとみており、何かのきっかけでいつ議員辞職/引退してもおかしくないと思っています。それにそもそも86歳の爺が与党を仕切るという発想そのものがおかしいのです。氏は昭和生まれというより戦前生まれであり、君臨そのものが現代の新しい政治への移行を阻んでいるとも言えます。

仮に麻生氏が引退でもすれば現在党内にいる中でその権力構造を引き継ぐのは鈴木俊一氏と思われますが、氏にカリスマ性はなく、麻生氏の傀儡のようなものです。自民党議員はじゃじゃ馬であり、それを鈴木氏が押えられるとは思えず、自民党の分裂感がより強まるとみています。つまり自民党も今臨時国会は乗り越えられても長期的視野に立った時、自民党をどう位置づけるのか、どう国民と共に歩む気なのか、そのあたりのメッセージが欠如しており、私には言うほど安泰には見えないのであります。

特に高市カラーが強烈で自民党支持派が足並みをそろえているかは私自身、疑問に思うところです。その中で食品消費税については強行突破で参議院で否決されても衆議院で再度可決させれば通るといいう思想が与党にあるならそれは与党の驕りであり、野党の強烈な怒りを買うばかりではなく、一部の国民の自民党離れも起きかねないとみています。

衆議院議員削減法案も一筋縄ではいかないでしょう。比例のみ45議席程度削減する案であります。小選挙区では「1位ではないと意味がない」ので選挙区内での対立軸が生まれにくい構造があります。つまり時世の動向により一つの方向に突っ走りやすくなり、先の自民党大勝のような事態が今後、さらに促進されるのです。それは日本の政治に議論を許さない社会を作るようなものであり、民主主義の根幹の話となるのです。その点では私は反対であります。むしろ小選挙区を減らして比例を増やすぐらいの真逆の政策が必要なぐらいです。

ある意味、今臨時国会は日本の政治そのものの将来を占うという見方もできます。切り口を変えて個々の審議だけではなく、全体の流れを見ながら国会の行方を俯瞰するとまた違った色に見えてくると思います。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年10月5日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。

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