出口理佐です。

軽井沢、エルミタージュ・ドゥ・タムラ
今月初めに訪れた、秋の軽井沢で楽しみにしていたのが、「エルミタージュ・ドゥ・タムラ」のディナーです。

長野県産の大きな、香り豊かな松茸!
この日の主役は長野県産の立派な松茸。最初に現物を見せていただくと、それだけで期待が高まります。

アミューズ、黒トリュフをのせたブリオッシュ、幻の千代幻豚のサラミ。
まずは3種類のアミューズから。黒トリュフをのせたブリオッシュ、幻の千代幻豚のサラミとバゲット、そして和栗のクリームとフォアグラのタルトです。

和栗のクリームとフォアグラ。
モンブランのように見える和栗のクリームは甘くなく、フォアグラの濃厚さとよく合います。
そして思いがけず心をつかまれたのが、黒トリュフの下に敷かれたブリオッシュでした。発酵バターの豊かな香りがして、思わずスタッフの方に「このブリオッシュ、美味しいです」と伝えてしまったほど。もちろんトリュフも贅沢ですが、私はこのブリオッシュだけでも満足です。
パリのレストランでも、料理とは別に「あの店のブリオッシュをもう一度食べたい」と思うことがあります。脇役のはずのパンが、再訪したくなるほどの記憶になることも多いです。

岩手県産の大きな牡蠣はエシャロットとオリーブオイル、白ワインビネガーのシンプルなソースにレモンを絞って。
北海道産の大きな牡蠣に続いて、いよいよ松茸がさまざまな姿で登場します。

薄くスライスして蒸した松茸。嚙むほどに松茸の味わいを感じます。
銀杏と緑のソースとともに。
印象に残ったのは、薄くスライスした松茸を4枚ほど重ねて蒸した一皿。銀杏と柑橘の爽やかさが添えられています。一枚ではなく重ねてあるため、噛むたびに松茸の旨味と香りが感じられました。

備長炭で火入れして、パリパリにキャラメリゼした鰻に松茸の香りがふわり。
鰻は特殊な備長炭を使い、タレを塗りながら皮をパリパリに焼いてカラメリゼ。そこに生の松茸を合わせ、米茄子や玉ねぎの風味も重ねています。とても美味しい。

松茸とすっぽんのフラン(茶碗蒸しのようなもの)。
すっぽんのスープで日頃のつかれも忘れ、元気いっぱいになります。
一方、とても気に入ったのが松茸のフランです。茶碗蒸しを思わせる優しい口当たりですが、スッポンの出汁がしっかり効いていて、小さなスッポンの身も見えます。和の素材を使いながら、きちんとフランス料理になっているのが面白いところです。

オマール海老とアメリケーヌソース。
海老の殻を使ったソースの風味がオマール海老本来の磯の香りを引き立てて、ここはあえて、香りの強い松茸を使わないのが気に入りました。
オマール海老にはジロールやポルチーニ、日本の茸をたっぷりと合わせ、濃厚なソース・アメリケーヌ。さらに紀州鴨は皮目がカリカリに焼かれ、クラシックなサルミソースとともに。ソースを味わうと「いま、フランス料理を食べているんだ」と嬉しくなります。

松茸とイクラの冷製カッペリーニ。
松茸とイクラを合わせた極細カッペリーニの冷製パスタまで登場し、国産松茸という一つの食材が、蒸す、生で味わう、出汁と合わせる、洋の食材と組み合わせると、次々に表情を変えていきました。

完熟メロンとダックワースのデザート
デザートは完熟メロンとダックワーズ。食後にはプラリネクリームをサンドした小菓子や、薔薇の蕾に囲まれたマカロンも登場します。最後までちょっとした遊び心がありました。
ちなみに一緒に食べていた夫は、私が一皿ずつ写真を撮り終えて横を見ると、たいていもうお皿が空っぽ。それもまた美味しかった証拠ですね。
秋の軽井沢で、国産松茸が次はどんな姿で現れるのだろう、と楽しみながらいただいたディナー。松茸そのものの香りだけでなく、一皿ごとに料理人の発想を味わう夜になりました。
※ 要予約。11月1日までの限定コース(税、サービス料込¥45,980)です。詳細はレストランホームページでご確認ください。
■







コメント