今晩は。国谷裕子です。今夜は『クローズアップ現代』スペシャル版として「東大総長選・密室の激論」をお送りします。NHKの取材で、総長選考会議の録音が入手できたので、それをドラマに再構成してお送りします。

NHK
「意向投票では、染谷候補が過半数でした。これを選考会議の結論としたいと思います」
東大総長を決める選考会議は、議長の冒頭発言で決着するはずだったが、一人の外部委員が口を開く。
「総合研究奨励会が警察に被害届を出した件は、どうするんですか? 代表理事だった染谷さんの善管注意義務を大学が指摘しています」
工学部の関連団体で浮上した不祥事の疑惑。候補者の資質を審査する段階では、選考を妨げる問題とは扱われなかったが、これが刑事事件になりそうだという情報が、会議の空気を変えた。
「問題なし」は誰の判断か
議長「その件は事前審査で問題なしという前提で、選考を進めてきました」
外部委員「問題なしというのは議長の判断ですか。警察が強制捜査に入ったら、世の中の空気は変わりますよ。文科省も放置できない」
被害届けの提出だけで犯罪の成立や個人の責任が決まるわけではないが、大学として何を把握し、どう対応してきたのかは問われる。
学内委員「その不祥事を問題にするなら、当時、副学長として研究倫理を担当した藤垣候補も責任者です」
疑惑を判断材料にするなら、候補者ごとの責任を同じ基準で検証しなければならない。だが会議は、その基準を確かめる前に、別の問題へと移っていく。
選ぶのは総長の資質かコンプラか
外部委員「染谷さんが総長になったあとで事件が大きくなったら、国際卓越研究大学の認定はどうなるんですか?」
この委員が懸念したのは、東大の研究力を支える巨額の資金だった。
学内委員「文科省には事件を報告し、この件は総長選とは無関係との回答でした。染谷さんが総長になっても影響はありません」
その説明は何にもとづくのか。文科省の正式な見解なのか、担当者とのやり取りなのか、と外部委員は食い下がった。
外部委員「コンプライアンスの怖さを知らないんですか。銀行では、システム障害で頭取が辞任に追い込まれたんですよ。東大でも去年、医学部の不祥事で国際卓越に落ちたじゃないですか。文科省には「もう一度やったら来年はない」ときびしく言われてるんですよ」
学内委員「もう一度やったことは文科省も知っています」
外部委員「しかしその不祥事の元当事者をわざわざ総長に選ぶと、コンプラを無視していると思われます」
一方には研究と教育を誰に託すかという判断。もう一方には、不祥事が組織にもたらすリスクへの警戒がある。会議では単記無記名投票がおこなわれたが、染谷候補8票、藤垣候補8票だった。
「女性だから」と言われたくない
議論が続くなか、議長が言葉をもらす。
「女性だから総長にした、と言われたくない」
女性候補の選出が持つメッセージ性を意識するほど、選考理由の説明には慎重さが求められる。多数を得た候補を選ぶのか。別の候補を選ぶのか。
どちらの結論にも、説明は必要だ。投票結果に従うなら、不祥事の問題をどう評価したのか。くつがえすなら、意向投票を上回るどんな理由があったのか。会議室の外で待つ学生や教職員には、そのやり取りは見えない。
大学の自治を支えるのは、外部から判断を守ることだけではない。自らの判断を、検証に耐える言葉で説明できることでもある。総長選考会議は、選ぶ側の責任をも問う場になっていた。
議長「わかりました。私は棄権しますが、この不祥事の件を記者会見で説明して理解を求めていいですね?」
学部委員「それはだめです。文科省が任命できなくなります」
8時間にわたって続いた激論の末に、もう一度、単記無記名投票がおこなわれた。今度は議長が棄権し、残る15人の選考委員のうち8人が藤垣候補に投票した。これで東大総長は正式に決定した。気がつくと、夜9時だった。
【お断り】この番組はチャットGPTの生成したフィクションです。登場する人物・団体・名称・事件等は架空のもであり、実在のものとは一切関係ありません。






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