今年3月、沖縄県辺野古沖で同志社国際高校の研修旅行中にボートが転覆し、生徒1人と船長1人が死亡した。10月30日、学校法人同志社の八田英二理事長が初めて記者会見に出席して謝罪したが、事故から実に7カ月半が経過していた。

会見する学校法人同志社の八田英二理事長 2026年10月30日
なぜ謝罪まで7カ月半かかったのか
今回の会見では、配布資料の読み上げや「重く受け止める」「反省する」といった抽象的な説明が目立った。
学校法人のトップがなぜこれほど長く公の場で説明しなかったのか。第三者委員会の調査と説明責任は別問題だ。
事故当時の西田前校長が出席しないなら、事前に十分な聞き取りをしておくべきだった。私学助成への影響を懸念して会見を開いたのではないかとの疑問も生じるが、実際の動機は不明だ。
「ガバナンス不全」で済ませてよいのか
同志社はガバナンスの不備を認めた。しかし、問題は単なる安全管理の欠如なのか。
今回、生徒が乗船したのは米軍基地建設への抗議活動に使われていた船だった。八田理事長も平和学習が一面的だったことを認めている。
問題は、こうした研修が一部教員の独断だったのか、学校の教育方針として組織的に実施されていたのかだ。
後者なら、ガバナンスが働かなかったというより、組織の意思決定そのものが間違っていた可能性がある。誰が何を決めたのかを検証すべきだ。
事故から2カ月後の賠償提示
会見では、5月に学校側が遺族へ賠償条件を提示していたことも問題になった。
早期の補償交渉自体は不適切ではない。しかし、事故原因や責任の所在を十分に説明しないまま賠償条件を提示すれば、金銭で早期解決を図ろうとしたと受け取られかねない。
誰が、なぜ、この時期に決断したのか。法人には具体的な説明が求められる。
謝罪会見で遺族の個人情報を漏らす
さらに驚くべきことに、八田理事長は会見中、亡くなった生徒の葬儀に出席したことを説明する際、遺族が公表していない居住地に関わる県名を口にした。
記者から遺族が公表を望んでいないと指摘されると、「軽率でした」と謝罪したという。
遺族への配慮を示すべき謝罪会見で、逆に遺族のプライバシーを侵害する発言をしてしまったのだ。
八田理事長は理事長を辞任する一方、総長職は続ける意向を示している。しかし、教育のあり方そのものが問われているのに、なぜ総長にはとどまるのか。
遺族は会見について「むなしさを禁じ得ない」とコメントした。
必要なのは形式的な謝罪ではない。なぜ生徒が危険な活動に参加し、誰がそれを決め、なぜ7カ月半も説明しなかったのか。
同志社が答えるべき問題は、まだ山積している。







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