都立六本木高校で女子生徒が同級生を刺傷:「相手を殺して自分も死のうと」

10月30日、東京都港区の都立六本木高校で、16歳の女子生徒が同級生を包丁で刺す事件が発生しました。警視庁は殺人未遂の疑いで女子生徒を現行犯逮捕しました。

事件が起きたのは午後1時ごろ。校内の図書室で高校1年の女子生徒が肩や脇腹などを複数回刺され、重傷を負いましたが、命に別条はないとされています。

逮捕された女子生徒は包丁を自宅から持参し、「相手を殺して自分も死のうと思った」と供述していると報じられています。警視庁は2人の間に何らかのトラブルがあったとみて調べています。

東京都立六本木高等学校 東京都立高校HPより

不登校経験者らを受け入れる「チャレンジスクール」

六本木高校は2005年に開校した都立の「チャレンジスクール」です。不登校や高校中退を経験した生徒らを主に受け入れ、午前・午後・夜間の3部制で、生徒が自分の生活に合わせて時間割を組める仕組みです。

事件当日は文化祭「きらら祭」の初日で、31日の一般公開は中止となりました。

もちろん、チャレンジスクールであることと事件を安易に結びつけるべきではありません。ただ、多様な事情を抱えた生徒が学ぶ学校だからこそ、トラブルの早期発見と適切な対応が重要です。

女子中高生の自殺が増えている

今回の事件を考えるうえで、気になる統計があります。

日本の自殺者数は男性が女性を大きく上回りますが、小中高生では逆転現象が起きています。

2026年版の自殺対策白書によると、2025年に自殺した小中高生は過去最多の538人。中学生では男子77人に対して女子95人、高校生では男子177人に対して女子179人と、女子が上回っています。

背景には学校や家庭での人間関係、精神的な健康問題などが考えられます。SNSの影響を示唆する研究もありますが、原因は十分に解明されていません。

今回の事件と自殺統計に直接の因果関係があるわけではありません。しかし、加害生徒が「自分も死のうと思った」と供述している点は見過ごせません。

子どもたちの危機を把握できているのか

今回の事件では、包丁が校内に持ち込まれ、図書室で使用されました。学校は事前にトラブルを把握していたのか。相談や介入の機会はなかったのか。安全管理の検証が必要です。

ただし、監視や規制を強めるだけでは根本的な解決になりません。生徒が追い詰められる前に周囲が変化に気づき、相談できる環境を整えることが重要です。

被害生徒の回復と周囲の生徒の心のケアを最優先にするとともに、加害生徒がなぜ他人の命だけでなく自分の命まで絶とうと考えたのか、慎重な解明が求められます。

今回の事件を単なる生徒同士のトラブルとして片づけてはなりません。子どもたちの心の危機を学校や社会がどこまで把握できているのか。その問いを私たちに突きつけています。

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