2026年4月1日、北海道の北部を走る留萌本線が全線廃止されました。
留萌本線は深川駅から日本海側の留萌駅を経て増毛駅に至る路線でした。
2016年に末端区間の留萌駅から増毛駅までが廃止、2023年には石狩沼田駅から留萌駅までが廃止されました。そしてこの4月に深川駅から石狩沼田駅までが廃止され、全線が廃止されることとなりました。「本線」と名乗る路線が全線廃止されるのは、1989年に廃止された同じく北海道の名寄本線以来2路線目です。

私は2018年、当時から全線廃止が目されていた同線の深川駅から留萌駅までの全駅を訪問しています。今回は2018年は現役だった駅の今をいくつか巡り、その活躍の跡をたどりました。
旧恵比島駅

旭川から車を走らせ、初めにやってきたのは恵比島駅。いや、明日萌(あしもい)って書いてあるやん、とお思いかもしれないですが、左側の駅舎は1999年に放映されたNHKテレビ小説『すずらん』のセット。本当の恵比島駅の駅舎は右の小さいコンテナです。ちなみにドラマ中ではこの本来の駅舎はトイレとして扱われていました。いや、ちょっとひどくね…?


留萌本線が廃止されたあともセットは現役で残されています。この日はイベントも行われていて、トロッコ列車の運行と駅そばの販売が行われていました。


小さく「えびしま」とかか書かれており、下車した乗客が間違って下りたのではないことを教えてくれています。
明日萌駅の中はレトロな雰囲気。現役当時から置かれていた蝋人形が今日も観光客をもてなしてくれます。

明日萌駅の脇にはもう一つ建物が。こちらもドラマのセットで駅長の家として建てられました。建物の外観のみが撮影に使われ、家の中のシーンは東京で撮影されています。

イベントでトロッコ列車が走っているので線路が残されています。ここ区間は廃止後3年が経ちますがまだ鉄路を活かして町を活性化しようと懸命な努力が続けられています。
旧真布駅

現役時代の真布駅。

続いてやってきたのは、恵比島駅の隣にある真布(まっぷ)駅。現役当時から普通列車も一部通過してしまうような小さな駅でした。周囲には民家が数軒しかありません。そんな駅ですが、駅舎はまだそのまま残されていました。8年ぶりに再会できてうれしい限りです。

線路は途中で切られ、駅や廃線内には入れないように柵が設けられていました。こういう姿を見るとやはり物悲しく感じます。いつまで残っているかわかりませんが、かつてここに鉄道が走っていたのだということを、できる限り長く伝えてほしいなと思います。

鉄道廃止後に設置されたバス停。1日1往復だけバスが来ます。
旧北一已駅

最後にやってきたのは北一已(きたいちやん)駅。初見の方は読めないですよね。今は深川市ですがかつては一已村。その北部にあったためこの名がつきました。「いちやん」はサケの産卵場の意味のアイヌの言葉だそうです。廃止から半年なんですが、こちらはベニヤ板が打ち付けられてちょっと寂しい感じになっています。


ホーム側に来ましたがこちらも建物に入れないようにベニヤ板が打ち付けられています。下の写真は現役当時の同駅。高校生だったせがれが一生懸命写真撮影をしていました。

ホームに上がる階段へ続く道も、立ち入り禁止になっています。今後、駅舎は撤去され、やがてホームの跡だけが残されていくのでしょう。
JR北海道では、これまで多くの路線や駅が廃止されてきました。国鉄が民営化された時期にも多くの路線が姿を消しましたが、それから35年以上がたち、国鉄末期にはまだそれなりに利用者がいた路線でさえ、乗客の減少によって廃止を余儀なくされる時代になっています。
モータリゼーションの進展に加え、過疎化、そして人口減少も重なり、鉄道を利用する人そのものが少なくなっています。地元で必要とされなくなれば、鉄道も廃止にならざるを得ません。

JR久留里線の久留里-上総亀山間は来年4月の廃止が予定されていましたが、先日の豪雨で大きな被害を受け、復旧を断念し、そのまま廃止となることが決まりました。今の時代、災害などによって、ある日突然、鉄道が来なくなることも決して珍しいことではありません。
いつまでもそこに線路があり、駅があり、列車がやって来る。それは決して当たり前のことではないのだと思います。だからこそ、鉄道が走っていることのありがたさを感じながら、これからも鉄道の旅を続けていきたいと思いました。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2026年10月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。







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