佐倉市議会発言削除事件⑦:会議録が示す「最後の討論者」

(前回:佐倉市議会発言削除事件⑥:「順番の公平性」で説明できるか)

17区間中17区間。別の期間では、23区間中21区間。

佐倉市議会の会議録を調べ、定例会最終日の討論について集計した結果です。さくら会所属議員が参加した区間のうち、同会派の議員が最後に討論した割合は、それぞれ100%と91.3%でした。

なぜ、この順番を調べたのか。

私の発言を取り消した理由として、議長が「順番の公平性」を挙げたからです。

公平性を論じるために、実際の順番を調べる

本年3月24日、私は、佐倉市議会で先行討論の理由を取り上げ、異なる見解を述べました。その発言の一部が取り消され、現在、佐倉市を相手に国家賠償請求訴訟で争っています。

市は、後順位の議員は先行討論に反論できる一方、先順位の本人には再反論の機会がないため、不公平になると説明しています。

前回は、佐倉市議会にも明示的な応答・反論の事例があり、先行発言との関係を明示しなくても、後順位者が対立する理由を述べることはあると紹介しました。

では、その後順位、とりわけ最後の発言位置は、実際に誰が占めてきたのでしょうか。

この点を確かめるため、私は会議録から討論順を整理し、今回、甲第33号証として裁判所に提出しました。

同じ会派が最後に討論する傾向

調査は、私が議員になる前後の二つの期間に分けました。

対象は、市長提出議案と議員発議案に関する討論です。議長が討論を開始してから終結するまでを一つの「区間」とし、複数議案が一括して討論された場合も1区間と数えています。

なお、佐倉市議会の場合、同一区画の討論については、会派から1名という慣例になっています。

ここで示すのは、各期間の定例会最終日について、さくら会所属議員が討論に参加した区間を分母とした結果です。全討論のうち、さくら会が最後だった割合ではありません。

調査期間 さくら会が参加した区間 同会派が最後だった区間
平成24年2月定例会~平成31年2月定例会 17 17(100%)
令和元年5月臨時会~令和7年11月定例会のうち、定例会最終日 23 21(91.3%)

いずれも複数の議員が討論した区間であり、さくら会の議員だけが単独で討論した区間は含まれていません。

後半の期間には、例外が二つあります。令和元年9月25日の市長提出議案では、さくら会の中村議員の後に藤崎議員が討論しています。令和4年12月19日の議員発議案では、中村議員の後に木崎議員が討論しています。

「必ず最後」ではありません。しかし、調査対象のうち、さくら会が参加した区間では、同会派が最後となる傾向が、二つの期間を通じて確認できました。

指名する議長の所属は

調査表には、発言順だけでなく、指名を行った議長・副議長の氏名と、当時の所属会派も記載しました。

そこにも、一つの特徴があります。さくら会所属の議長・副議長の下で、同じさくら会の議員が最後に討論する区間が繰り返し記録されています。本件当時の村田議長も、さくら会所属でした。

最後に発言する議員の会派と、その順番で指名する議長の会派が重なっていたのです。

ただし、公明党所属の森野議長や岡村議長の下でも、さくら会が最後に討論した事例があります。したがって、議長の所属だけで順位の傾向を説明することはできません。また、この集計だけで、特定会派を優遇する意図や、記録外の調整があったと断定するものでもありません。

「再反論できない」という説明との関係

最後に討論する議員は、その区間の先行討論をすべて聞いた上で発言できます。一方、先順位の本人には、その最後の発言に再反論する機会がありません。

これは、市が本件で公平性の問題として挙げている関係です。

ただし、最後に話したからといって、実際に他の議員へ反論したとは限りません。最後の討論者がいること自体を、不当だと主張するものでもありません。

私が問うているのは、後順位から異なる理由を述べられ、先順位者本人が再反論できないという関係を、議会が従来どう扱ってきたかです。

同じ会派が最後に討論する傾向が続く中で、先順位者が再反論できないことを理由に、今回は発言の取消しまで必要とした。その説明は、実際の運用とどう整合するのでしょうか。

数字だけでは、発言順がどのように決まったかまでは分かりません。そこで次回は、議長がどう討論を募り、誰を指名していたかを、過去の応答・反論事例とともに会議録で確認します。

※ 集計・発言順・議長等の所属は、提出した甲第33号証によります。同号証の「24区間中22区間・91.67%」は、定例会最終日以外の令和5年4月4日臨時会を含む集計です。本稿では両期間を定例会最終日で比較するため、同臨時会を除いた数値を示しています。

佐倉市議会における討論順の運用実態〔甲33〕

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