バチカンニュースによると、聖座のナンバー2パロリン国務長官(枢機卿)は5日、米連邦議会の上下両院で民主党が過半数を確保したことを受け、「間違いなく変化をもたらすだろう」と期待、さらに「こうした変化が平和につながることを望んでいる。ウクライナにおける非常に痛ましい事態、そして世界各地で起きている数多くの紛争を終わらせるために、あらゆる手を尽くしてほしいというのが、我々の長年の願いだからだ」と述べた。

南米訪問のために出発するレオ14世、バチカンニュースから、2026年11月6日
米国人初のローマ教皇レオ14世は過去、トランプ米大統領の移民政策やイラン戦争を批判するなど、メディアでは教皇と米大統領の関係は険悪化していると報じられてきた。例えば、レオ14世が7月4日の米国独立記念日にワシントンではなく、イタリア南部の移民の島と呼ばれるランペドゥーザ島を訪れたことに対し、「厳しい移民政策を実施するトランプ政権への批判だ」と解釈された。
参考までに、駐バチカン米国大使のブライアン・バーチ氏はレオ14世を公邸に招待し、夕食を共にしている。同大使は「教皇とトランプ米大統領の間には、相違点だけでなく共通点も存在するが、米国の政策と教会の社会教説がいかに整合するかという点において、相違は存在する」と認めたうえで、「重要なのは2人が友人になれるかどうかではなく、大統領の目標と教皇が抱く世界へのビジョンを両立させられるかどうかだ」と指摘している。
また、レオ14世は暫くは米国を訪問しないと決めたことについては、バーチ米大使は、「教皇は親米的すぎると見なされることを望まなかったため、当面は米国への訪問を見送ることにしただけだ。トランプ氏との意見の相違が理由ではない」と説明している。なお、教皇は米国国民に向けて「建国250周年記念書簡」を発表し、その中で「移民を歓迎し、保護することが建国の理念である」と言及している。
ところで、レオ14世はローマ教皇としては初めて、選挙の投票権を行使した。バチカン広報部が先月30日明らかにしたところによると、教皇レオ14世はシカゴ宛てに郵便で投票用紙を送り、「米国市民としての投票権を行使した」という。当然だが、バチカンは教皇レオが誰に投票したのかを明らかにしていない。
レオ14世(本名:ロバート・フランシス・プレヴォスト)は、米国市民としてペルーで宣教師として長年過ごした期間中も、「機会があるたびに」投票権を行使してきたという。ただし、レオ14世はペルーの国籍も有しているが、ペルーでは投票権を行使したことはないという。
ちなみに、レオ14世前の教皇たちが選挙に参加したかどうか、あるいはどのような形で参加したのかは明らかではない。ヨハネ・パウロ2世はポーランド出身、ベネディクト16世はドイツ出身であり、前教皇フランシスコはアルゼンチン出身だ。教皇が政治的な選挙で投票権を行使することは異例だ。いずれにしても、出身国の選挙で投票権を行使したことが確認された教皇はレオ14世が初めてだ。
コンクラーベ(教皇選出会)でペテロの後継者ローマ教皇に選出された後、プレボスト枢機卿は自身の教皇名を「レオ13世」とすることを明らかにした。その理由について「教皇レオ13世が歴史的な回勅『レールム・ノヴァルム』の中で、第一次産業革命の文脈における社会問題について初めて言及した教皇だからだ」と説明している。
レオ14世はレオ13世に倣い、世界が直面する社会問題に積極的に関与する考えだといわれている。過去の教皇が行使しなかった投票権の履行もその一つだったわけだ。その選挙でトランプ米政権の与党共和党は歴史的な惨敗を喫したのだ。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2026年11月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。







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