震災後も変わらぬニッポン

2011年05月05日 15:09

東日本大震災から早くも2ヶ月が過ぎた。3万人という大切な命が失われたてしまったが、被災地以外はすでにほとんど震災前と変わらぬ日常生活に戻った。そして現在の話題は、今夏の電力不足、原発を含むエネルギー政策、東電と政府による原発事故の被害者への損害賠償、などである。しかし今日は、そういった目の前の問題から少しはなれて、日本の長期的な問題を考えてみたい。


日本経済の一番の問題は、成長が止まっていることである。これは労働市場、資本市場が硬直化し、産業構造が時代に合わせて柔軟に変化できなくなっていることが主な原因だが、今後は、さらに高齢化による労働人口の減少という人口動態も足かせになるだろう。解決策は、解雇規制の緩和や、資本市場の改革を通して企業買収やベンチャー投資を活発にすることである。決して既得権益を守ることではない。震災後もこれらの構造問題は、何一つ進展が見られない。

世界の名目GDPの推移

出所: IMFのウェブ・サイトより筆者作成

そして膨張する公債残高が重くのしかかる。これの行き着く先は財政破綻か重税である。このように公債残高が発散しつつあるのは、高齢化により増大する社会保障費に対して税収が全く足りないからである。しかし政府は、世界最高税率の法人税や高額所得者の極めて不公平な累進性を維持したまま、薄く広く取れる消費税率の引き上げをしてこなかった。グローバル経済の下で企業や高額所得者に高い税金を課せば税収が減り雇用が減るのは自明である。香港政府は税率を毎年のように引き下げ、今年の税収はまた過去最高を記録している。ロシアも低率なフラット課税を導入して税収が急激に増加した。そして経済への負荷が少ない薄く広く取れる消費税率を引き上げ、赤字国債の増加に歯止めをかけなければいけない。これ以上、子や孫の世代に負担をつけ回すことは許されないのだ。

一般会計と公債発行額

出所: 財務省のウェブ・サイトより筆者作成

公債残高

出所: 財務省のウェブ・サイトより筆者作成

今後、急速に進む高齢化だが、これは看護師などをフィリピンやタイから受け入れたり、インドや中国からIT技術者を招致したり、金融特区などにより税率を大幅に下げふたたび東京をアジアの金融センターにすることなどが必要だろう。積極的に移民政策を推進するべきだ。また、広義の意味で労働力を輸入する必要がある。農産物などは積極的に輸入したい。そのためには一刻も早くTPPに参加し、農産物の関税など、自由貿易を妨げるものをすぐにでも撤廃することだ。

年齢別人口の推移

出所: 国立社会保障・人口問題研究所のウェブ・サイトより筆者作成

参考資料
解雇自由化は日本経済復活のための一丁目一番地、アゴラ
昔のライブドアや昔の村上ファンドのようなプレイヤーが活躍できる株式市場こそが日本に必要、アゴラ
所得税はフラット10%にして大幅な税収アップ、アゴラ
日本はもう移民政策しかないんじゃないだろうか? 金融日記
農業補助金ゼロ、農産物関税0%、規制全廃で日本の農業はよみがえる、金融日記
輸入関税だけを一方的にゼロにしても自国民は潤う、アゴラ

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