営業マンよ、就活生よ「お客様は神様です」と言うのはやめなさい!まだ生きているんだし

2012年04月13日 18:30

少し時間が経ってしまいましたが、先日の『「お客様は神様」なんかじゃない』という駒沢丈治氏のエントリーを興味深く拝読しました。駒沢氏の論旨とはややズレているかもしれませんが・・・、日々、日本の営業マンやその予備軍と接していて感じることを激白したいと思います。「お客様は神さまです」という良い人ぶっている人たちに、機動戦士ガンダム風に言わせてください。敢えて言おう、カスであると。


「お客様は神さま」「高い顧客満足度を勝ち得る」と口に出して言う人に限って、言っていることと行動がずれていて残念です。いや、残念どころか、むしろ有害ですらあります。

営業とは、顧客との接点を持つ仕事です。つまり、企業活動の要である価値の提供の最前線に立つ仕事です。ズレている営業マンは、顧客に期待以上の価値を提供できていません。そんな企業が高い業績を上げられるわけがありません。顧客満足度なる言葉を発する人に限って、ごく表面的にしか顧客を満足させていません。

もう少しだけ具体的に言うならば・・・。「顧客の課題を聞くようにしている」は美談ですが、当たり前のことです。もっと言うと、表面的なヒアリングを元に提案するのは危険です。例えば、初期の『美味しんぼ』に出てくるエピソードですが、「夏バテで困っている」と言っている人に、鰻を食べてもらうのは、本当にいいことなのでしょうか?違いますよね。疲れている人にとっては、元気が出ると言われている食材はむしろ身体にとって負担になるのです。

「顧客の課題には何でもこたえる」と言っている人は、何でもこたえているようで、何の役にも立たないです。

「お客様の笑顔のために、笑顔でがんばります」は学生がよく発する自己PRですが、自分の笑顔だけで笑顔は実現できません。

「儲けを度外視してでも顧客満足のために努力する」という人もいます。気持ちはわかりますが、長期的なことを考えてやっているならともかく、短期的にはますます質の悪いサービスを提供することになることもあるわけです。

営業ほど世間から誤解されている仕事はありません。ドラマや漫画で描かれる営業マンの姿は、ペコペコする売れない営業マンはもちろん、かっこいいデキる営業マンも現実と大きくズレています。

就活する学生は、「コミュニケーション能力」と「顧客の笑顔」という2つのキーワードに騙され、居酒屋アルバイトなどを例に、いかにコミュ力が高く、笑顔で接したかの話をするわけです。これではズレる連鎖が続きますね。だいたい、学生バイトがそんなに笑顔で接してくる居酒屋、居心地が悪いじゃないですか。

このように、デキる営業マン像はズレ続け、顧客満足の誤解は広がるわけです。

居酒屋の話が出ましたが・・・。ここで、皆さんが大好きなお店のことを考えてみましょう。転職漫画『エンゼルバンク』(三田紀房 講談社)にも出てくるエピソードなのですが、皆さんが大好きなお店は、すべてがお客様に最高の笑顔を届けているでしょうか?実はそうでもないですよね。それこそ、無愛想な頑固親父が店長の寿司屋、蕎麦屋なんていっぱいありますよ。でも、そういうお店は「予約がとれてよかった!」「今日も美味しいものをありがとうございました!」と、お客さんの方から感謝するわけです。顧客が満足するということの真の姿は、これです。

営業マンの話に戻りましょう。上辺だけで「お客様は神さまだ」と連呼することは偽善です。笑顔で接することでも、コミュニケーションが上手なことは大事ですが、最も大事なことではありません。

良い提案をして顧客に高い価値を提供すること、結果として自社に高い利益をもたらすことができることこそが大事です。この、当たり前のことを若手営業マン(いや、ベテランも)や、営業志望の就活生はまったくわかっていません。

「期待を上回る価値の提供」こそが顧客満足のポイントです。ここで大事なのは、別に「値段」を上回る価値でなくても良いということです。値段を上回りすぎると、自社が損するだけの話になります。これもビジネスとして正しくありません。もちろん、WIN-WINの関係と言いつつ、最初は顧客の方が笑う量が多いくらい、つまり格闘技ゲーム風に言うと”YOU WIN!”くらいでいいのですが(これはあくまで精神論です)。

「お客さんのニーズに合わせる」も美談ですが、合わせるだけではだめです。期待値をこえるものでなければいけません。

よい提案をして、その効果にこだわること、これこそ営業の仕事です。

コミュ力が大事といいますが、これが大事なのは良い提案をするために深くヒアリングをすることが必要であるからです。単に聞くだけでなく、潜在的なニーズも見逃してはいけません。

私の尊敬するある企業のトップ営業マンは、先方の話だけでなく、頷いた部分、目の色が変わった部分も含めてメモをしていました。そのポイントをヒントにこまめに情報提供をしつつ、深い提案をしていたのです。何より、いちいち顧客の期待を大きく超える企画を作っていくこと。顧客満足度を高めるためにはこういう努力が必要なのです。アナタの提案は、期待以上でしょうか?

日本という国の営業マンが一刻も早く、営業という仕事がいかに大事であるか、デキる営業とは何かについて早く目覚めてもらいたいです。

日本を救うのはウルトラマンではなく、営業マンなのですから。

就活の栞

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常見 陽平
千葉商科大学国際教養学部専任講師

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