アマゾンと地方経済

2013年03月03日 12:51

先程、フェイスブックを読んでいたら、下記ブロゴスのプロモーションが眼に留まった。

ネット通販の興隆で地方経済がさらにヤバイ(やまもといちろう)
投資家のやまもといちろうさんが、ネット通販の隆盛によって地方に店舗をかまえる量販店やロードサイドの収益に深刻な打撃をあたえ、地方経済に影響を及ぼしているのでは、と懸念の意を表しています。

タイトルに惹かれてエントリーを読んでみたが、至って冷静且つ常識的なもので安心した。

このテーマは、今後ネットユーザーの大きな興味を引くに違いない。

その結果、3.11の後の一時期、放射能への恐怖を煽りたてた様に、変な大学教授、金儲けしか頭にない自称ジャーナリスト、左巻きの自称識者、論者が参戦し「地方経済を守れ」みたいな妄言が飛び交う展開も予想される。

「放射能汚染」の代わりに「EC」を攻撃し、「東京電力」の代わりに「アマゾン」をスケープゴートにするという構図である。

私は、基本的にECの台頭、普及は地方の利便性を向上させ、日本国民の生活を豊かにすると考えている。詳細はアマゾンの快進撃が意味するもの で説明しているので、こちらを参照して戴きたい。

ヤマダ電機に代表される、先ず店舗ありきの「リアル商流」は今やECの格好の標的となり、狙い撃ちされ、顧客を根こそぎ持って行かれているのではないか?アマゾンとヤマダ電機の「光と影」とでも表すべき現状を見れば、若者が「リアル商流」の何処かに職を得る事には賛成出来ない。決して報われる事のない苦難の道を歩む事になるからである。一方、ECは今後とも個人消費におけるシェアーの拡大を継続するはずである。従って、学生が流通分野に職を望むのであればECという結論になる。

ECが素晴らしいのはサービスが全国均一である事だ。山奥に住んでいて中々買い物のために街に出る事が難しい人でも、東京23区の住民と同じサービスの享受が可能である。

田中角栄以降、百人足らずの山奥の村の住人の買い物が不便だからという理由で、山をぶち抜き五百億円をかけてトンネルを作って来た訳である。

アマゾンがあればトンネルは不要となる。少なくとも、地方の消費者はアマゾンを歓迎しているはずである。

確かに、今後多くの家電量販店は規模の縮小や閉店に追い込まれる事になる。地方経済にどの様な弊害を与えるか? ざっくり検討してみる。

先ず地方の「税収」であるが、これは元々家電量販本社の所在地で申告、納税しているはずなのでインパクトはない。

一方、「雇用」は多少のインパクトがあるかも知れない。しかしながら、家電量販一般に接客を家電メーカーが派遣する販促スタッフに丸投げしており影響は微小と思うがどうなんだろう。

一方、地方の特産品、名産品をECを利用、活用して全国、更には全世界へ販売する事が可能となる。

コンビニが最も象徴的であるが、リアルな店舗はどうしてもスペース商売に傾きがちである。ある程度、ロットがまとまる商品しか棚に陳列しない訳である。

結果、これにミートしない生産者と消費者が無視されてしまう。

勿論、特定の顧客に刺さる商品の開発とか、プロモーションとか課題は多々ある。

しかしながら、アマゾンは元々「ロングテール」対応で出発しているので、リアル店舗では相手にして貰えなかった地方の生産者に新たな販売の道を開くはずである。

地方の生産者の販売が増えれば当然雇用が増え、地方経済も活況化する。法人税、住民税が増えるのも当然である。

そもそもの話であるが、家電量販の様に郊外に大型の店舗を建設したら、その後は家電メーカーを叩きに叩いて製品価格を下げさせ、接客のための販売員も出させる様なやり方が長続きするはずがないのである。

従って、アマゾンが家電量販を淘汰するのは自然の摂理と思う。地方は、不自然に家電量販を守り、延命を図るのではなくアマゾンを利用して地方経済の活性化を図る方が実りある将来に直結すると思う。

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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