有料メルマガをやめました 我が動員とマネタイズ敗北宣言

2013年05月03日 07:30

2011年の秋から発行していた有料メルマガを、2013年5月いっぱいで休刊することにした。ご愛読頂いた読者の皆さんには申し訳ない。世の中が、個人発信の有料コンテンツに移行しつつある中、私は撤退することにした。『日経ビジネス』の「敗軍の将、兵を語る」ではないが、我が敗北のポイントをまとめることにする。


まず、はじめに。今回、私が有料メルマガの配信をやめる理由について説明しよう。

第1の理由は、多忙になり、月2回の配信が厳しくなってきたことである。働きながら大学院生をしているのだが、修士論文の準備と、書籍の執筆などが重なり、月に2回、約8000文字ずつ書くのが辛くなってきた。

第2の理由は、月315円払って頂いている読者に納得してもらえるコンテンツを作ることができなかったことである。他の著者のメルマガを拝読し、自分のメルマガの至らない部分を見せつけられ、心が辛くなってしまった。

第3の理由は、理由2とも連動しているのだが、読者数が伸びなかったことである。一度、525円から315円に値段を下げリニューアルしたのだが、結局、読者は数十人だった。売上が月1万円を超えることはほぼなかった。

だんだん、有料メルマガを出すことが精神的に辛くなっていった。『「すり減らない」働き方』なんて名前の本を出しているのだが、私自身がややすり減ってしまっていたのは事実である。これがコンテンツにも影響したのだろう。悪循環になってしまった。

もちろん、試行錯誤は繰り返した。読者+スタッフを集めて、意見を聞いたりしたし、その意見をフィードバックしたりした。

驚異的な読者数、カルト的なファンがいると言われている津田大介さんのメルマガの読者数拡大術を参考にしようとした。津田大介さんと言えば、TwitterでエゴサーチしてのRT攻撃が有名で、タイムラインが津田マガ絶賛のツイートで埋まることがよくあったわけだが、私の場合、そもそもエゴサーチしてもメルマガに関するツイートがなかった。

城繁幸さんは、メルマガのコンテンツをブログでチラ見せしているし、佐々木俊尚さんも一部のコンテンツをブログに全文転載し、読者数を集めていると言われている。真似してみたが、結局、あまり伸びなかった。まあ、会員数を伸ばす努力が足りなかったのは間違いないだろう。

他の著者のメルマガは、一部はスタッフを抱えており、圧倒的な情報量と完成度だったのだが、私の場合、そこまでお金とパワーをかけることができなかった。

形式も、データものの記事をやってみたり、連載コーナーを作ったり、愛弟子イケダオソト(ハヤトではない)との対談形式にするなど、試行錯誤を繰り返したが、納得のいくものができなかった。

ひたすらメルマガ会員にプライベートを晒している著者などもいるわけだが、私のプライベートはそこまで面白いくないので、やっぱり無理だった。中川淳一郎さんほど過激にビールを飲んでいないし、はあちゅうさんほど愛嬌、かわいさがないわけで。

私自身、おかげさまでいくつかの連載を持たせてもらっており、月間20本くらいのコラムを書いているのだが、その上で新たなコンテンツを、しかもお金を払ってくれている熱心な読者に書くのはプレッシャーだった。

現在、ネット上には有料・無料のコンテンツが混在しており、安い電子書籍なども出てきており、過渡期なのだと思うが、有料であれ、無料であれ、また著者へのお金の払い方がどうであれ、読者にとってコンテンツはコンテンツである。どう書き分けるかは悩ましいことだった。

私自身、有料メルマガを出すほどの人気著者ではないということだろう。早かったのだと思う。運営会社の発行メルマガ一覧を見ても、格下であることは明らかだった。応援してくれたファンの皆さん、スタッフの皆さんには申し訳なかったのだが。

というわけで、今回、私は有料コンテンツから撤退する。いや、そもそもの仕事の量を減らそうと思う。いま頂いている連載の仕事、書籍(紙・電子ともに)の執筆は責任を持ってやりきるが、執筆系の新規のお仕事は基本、しばらく受けない方向でいきたいと思っている(って、何度も宣言してきたのだけど)。正直、やや雑になっているな、もっと時間をかけたいなと思っていたのである。もっとも、5月は修羅場で戦わないといけないのだけど。

先日、尊敬する同世代の著者にもアドバイスを頂いたが、著者は露出と質のコントロールをしなければならないのだ。勝間和代さんが言う「断る力」ならぬ「断らない力」で頑張ってきたのだが、そろそろ考えないといけない時期だろう。あるいは、思い切ってスタッフを雇うかという話なのだろうけど。

また、マネタイズの手段としても、成果対応型ではなく、原稿料型にシフトする。ネットメディアもいいけれど、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌、書籍など旧来からのメディアにシフトする。

反省点でもあるが・・・。有料メルマガなり、有料コンテンツなりを成功させるポイントとしては、ひたすら面白いことをアピールする(津田大介さん的なエゴサーチ→RT上等!)、買ってでも読みたいコンテンツをつくる、たまに号外を発信してお得感を出す、(可能なら)組織で運営する、そもそも集客力のある人気著者になるということが大事なのだろう。

それにしても・・・。有料メルマガ、有料コンテンツで大成功している人って、いるのだろうか。いや、ホリエモンさんや津田大介さん、やまもといちろうさん、佐々木俊尚さん、藤沢数希さんなどは読者数が多いらしいのだが。でも、ホリエモンさん以外で読者数を公表している人を見たことがない。課金プラットホームであるニコニコのブロマガやcakesで大儲けしたという話も聞いたことがない。いや、私が単に情弱で知らないだけなのかもしれないが。

「これからは有料コンテンツだぞ(キリッ)」などと言う意識の高い方々(笑)、「評価経済で個人にお金が落ちる時代ですな、ガハハ」という方々もたくさんいらっしゃるかと思うのだが、残念ながら、私はそうならなかった。まあ、動員とマネタイズも過渡期ということなのだろうけど。

何度も言うが、応援して頂いた、読者の皆さんとスタッフの皆さんに感謝。

なお、メルマガ自体は無料版で継続する。有料版は読者とスタッフのために、もしお話を頂いてもしばらくは意思をもってやらないことにする。

出直すことにしよう。

本当に薄っぺらい人生だった。今までありがとう。

こんなことで物書きは辞められない。明日からまた生きるぞ。

同時投稿:試みの水平線

常見 陽平
千葉商科大学国際教養学部専任講師

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