スカイツリーは誰得だったのか

2013年05月17日 11:33

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建設費が約400億円で総事業費が約650億円だったスカイツリーも開業して早1年が経ちます。一年足らずでスカイツリータウン全体で来場者が5000万人に達してしまったということで何やら大人気。しかし、いったい誰得なのか、という突っ込みもほうぼうから起きています。アゴラの山田肇氏の論考を読んでみればわかるんだが、東京タワーからの移転でも受信障害が多発して問題になっている。今ではこの電波障害、かなりの大ごとになっていて移転が秋に伸びる、という話もあります。


あれは単なる東武の客寄せパンダだ、という意見もあり、タワー入場者は640万人と見込まれ、平均で2000円払ったとすると128億円。タウン来場者5000万人の半数が一人約3000円使ったとすれば、それだけでもう750億円です。スカイツリーとソラマチ大繁盛の代わり、この「反社会学講座ブログ」に書かれてるように、期待していたより地元経済へ与える影響は少ない。表題の記事では、わざわざあんなところへ行かずとも楽しめる方法を紹介しています。

東京タワーで充分なのにもかかわらず「再開発」の鳴り物入りで立ち上げた巨大電波塔スカイツリー。しかし地元には金が落ちず、機能的にも疑問符が付くのなら、後で振り返るとアベノミクスを象徴したバベルの塔になってしまうかもしれません。
web R25
登らずにスカイツリーを楽しむ方法
RBB TODAY
東京スカイツリータウン、来場者が累計5000万人達成

※写真は大混雑するスカイツリーの展望台入場フロア。予約一杯で当日でもチケットが取りにくいらしい。


Fast, Cheap, Dead: Shopping and the Bangladesh Factory Collapse
TIME Science & Space
もう忘れられてしまいそうなバングラデシュの縫製工場崩壊事故では、大量のミシンの振動が重なり、ビルの倒壊につながったようです。この事故の死者は1000人を越える、とも言われ、いまだに行方不明者がいる様子。この記事では、速い、安い、それが死に至る、というバングラデシュの事情について書いています。バングラデシュ国内の抗議活動により同国政府も重い腰を上げて対策に乗り出しています。しかし、この事故では工場所有者が国外へ逃亡しようとして未然に逮捕されていますが、過去に同様の労働災害で有罪になった工場所有者は同国で一人もいないらしい。この記事によると、1993年にタイで起きた香港のオモチャ会社「カデル」の火事では若い女性工員など188人が、昨年2012年にパキスタンのカラチで起きた工場火災でも262人が焼死しました。深夜に一人勤務のファーストフード店のように、低コストと危険がバーター、というのは日本でも同じ。「小さな政府」になり政治や行政のセーフティネットが削減されるようになれば、こうした傾向が世界的な潮流になりかねません。

Bad decisions arise from faulty information, not faulty brain circuits
PRINCETON UNIVERSITY
まあこれはこれで当たり前の話だと思うんだが、我々が間違えをするのは、脳がオバカだからじゃなく、そもそも入力された情報のほうがおかしいことが多いんじゃないか、という話です。間違えて覚えてしまう、なんてのは、やはり脳がオバカだからじゃないか、とも言えます。意志決定をするための情報が間違っている、というのは企業のトップの判断なんかでよく起きがちなこと。いくら頭が良くてもダメ。我々の日常は、限定的な環境で与えられた材料で判断するしかないことばかりです。

物理の先生がGlassを通じてCERNの大型ハドロン衝突型加速器の内部を生徒に紹介(ビデオあり)
Tech Crunch 日本版
日本でもILC(国際リニアコライダー計画)によって、素粒子物理学の巨大研究施設CERN(欧州原子核研究機構)の発展型である直線電子加速器を作ろう、という動きがありますが、この記事ではCERNの中をGoogle Glassをかけて紹介した、と書いています。この動画をみるとサスガに巨大。自転車でどんどん走っても終わりがありません。ドーナツ型だからか。しかし、現地で体験したことをリアルタイムで他者と共有するガジェットの可能性が少しわかります。

ウナギの乱食にブレーキをかけられるのは誰か?
勝川俊雄 公式サイト
ウナギの生態が次第に解明されてきた結果、資源の管理にはいったいどこでどうやったらいいのか、よくわかっています。ウナギは淡水や沿岸部に棲息している成魚が、交配や産卵のためにグァムあたりのマリアナなどへ移動、産卵後の成魚や稚魚が黒潮に乗って再び日本の沿岸部へ戻ってくる、というサイクルになっています。どうしてこんな厄介な産卵をするのか、と言えば、熱帯ウナギから進化した過去の記憶が残っているらしい。だから温帯ウナギも産卵のときだけは南海へ行くわけです。で、このブログでは、ウナギ資源を管理するために漁業関係者の努力なしには実現できないんだが、彼らが自分から資源管理へ動くことは期待できない、と書いている。行政や業界でなく我々ウナギ好きな消費者が動かなければウナギはやがて食べられなくなるだろう、ということです。ウナギ好きを自認する者として、こりゃなんとかせないかんね。

Virgin Galactic Fires First Rocket-Powered Flight
Mashable
岩瀬大輔氏のブログでも紹介されてたんだが、こないだ社長が女装して機内アテンドをして話題になったヴァージンが「Virgin Galactic」として宇宙旅行サービスに乗り出すようです。一年に500人の乗客を一人当たり2000万円程度の料金で宇宙へ送る計画。この動画をみると、「WhiteKnightTwo」というロッキードP38みたいな双胴航空機で高空へ運ばれ、そこから本体である「SpaceShipTwo」が桜花みたいに切り離されています。なんか例えが前時代で申し訳ないんだが、今回のテストフライトでは1万4000メートルからロケットエンジンでさらに3000メートル上昇することができたらしい。まだまだ地表から100Kmからと言われる宇宙空間には到達できていないんだが、例のリチャード・ブランソン会長は「年内にはなんとか」と言ってます。

メシマズ写真から思う、現代の「写真」の文化
乱れなよ、そして召されなよ
確かに「写真のセンス」というものがあるようで、SNSなんかのタイムラインを眺めていても、どうしてこんなにヘタなの、と思うような写真があります。今の時代、スマホにしてもデジカメにしても、ヘタに撮ることのできない「仕様」になってます。手ぶれ補正やオートフォーカス、顔認識、フラッシュ、高いISO……。それでもヘタに撮れてしまう、というのは一種の「才能」なのかもしれません。あと、食べ物、というのはすぐにウマイかヘタかわかってしまいます。美味しそうならウマイし、不味そうならヘタ。これが人物写真になると判断はなかなか難しい。いい人物写真というのは、撮る側と被写体の関係が如実に出てしまうものなんですがね。

New Plant Protein Discoveries Could Ease Global Food and Fuel Demands
UC San Diego
米国カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームが、新しい植物性タンパク質の可能性を発見した、という記事です。このタンパク質は、植物が土壌からナトリウムや酸化アルミニウムなどの有害物質をフィルタリングするために使われているらしい。塩害で収量が見込めなかったカリフォルニア・セントラルバレーの土壌研究で見つけられた物質で、この研究から小麦の収穫が25%も増えた、とのこと。このような問題のある酸性土壌は、熱帯や温帯の農耕地の30~40%にも及ぶそうです。この研究チームには、日本の石川県立大学の研究者も参加しています。

一斉発射できるノドンの数は50発以下
海国防衛ジャーナル
中国の経済制裁の効果か、北朝鮮が軟化し始めてます。いくら強気な発言をしても38度線に配備した軍隊が「ハリボテ」と言われたり、長距離ミサイルは燃料注入などの動向が米国の衛星から丸見えで、発射の本気な兆候が現れたらすぐに叩かれちゃうことがわかってたり、中短距離ミサイルにしても実際に飛ばせるのか、飛ばしても目標へちゃんと到達するのか、非常に疑問なわけです。中国はともかく少なくとも北朝鮮は軍事的にはそれほど大きな脅威ではありません。このブログでは、ミサイルの発射台の数自体が50基程度なんだから、今の日本の防衛力で充分なのでは、と書いています。

クーリッジ大統領に学ぶ
Conservative Blog Japan
第29代副大統領にして第30代の米国大統領、カルビン・クーリッジ(1872~1933)について書いているブログです。大統領在任期間は1923年8月から1929年3月。クーリッジといえば「Coolidge effect」が有名なんだが、ここではごくごくマジメに彼の業績や功績についてレーガン大統領を引き合いに出して考えています。「必要以上の税を集めるのは合法的強盗である」と言ったクーリッジ大統領は、在任中に4度も大減税をしたのにも関わらず財政赤字を大幅に削減し、財政均衡を実現させた結果、米国に史上最高の好景気をもたらしたらしい。時は「狂乱の20年代」。フィッツジェラルドの小説『偉大なるギャツビー』ですな。自由放任主義がまかり通った古き良き時代です。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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