コンドーム発言の市議会が東京のテレビに出たがってます

2014年07月25日 06:00

どうも新田です。MXテレビのモーニングCROSSにコメンテイター出演して不適切発言⇒即日降板が下半期の目標です。ところで、都議会のヤジ問題、兵庫県議会の野々村議員による号泣会見、青森・平川市議会の公選法違反逮捕壊滅などなど、ワイドショーに話題を提供して「全国区」になりたがってる各地の地方議会でありますが、どうやら愛知県新城市議会がどうしても東京のテレビに出たいらしくてですね、当初のショボい炎上ネタが鎮火しかけたのに対し、議会ぐるみでわざわざガソリンを投下して新たな局面に入りつつあるようです。


※新城市役所のホームページ
140725新城市

本編に行く前ですが、たぶん首都圏在住者の95%くらいは「愛知県の“しんじょうし”ってどこだよ?」って、地名も位置も分からない人が大半だと思うくらい無名ですが、読み方は「しんしろし」でございます(私も昨日知りました)。新城市のことは存じ上げなくても、「あー、そんな話が何日か前にニュースに出てたね」という不祥事はこちら。じゃ私の古巣から引用

「穴の開いた避妊具配っては」…新城市議が発言
愛知県新城市の長田共永市議(49)(無所属、3期)が6月市議会本会議で、「婚姻届を出した市民に、穴の開いた(避妊具の)コンドームを配ってはどうか」と不適切な発言をしていたことが18日わかった。(略) 発言は、別の市議がインターネットのブログで取り上げたことで表面化。市民から抗議の電話が議会事務局に2件あったという。長田市議は取材に「明るく親しみやすい市役所にしたいとの思いで発言したが、度が過ぎた。反省している」と陳謝した。
(2014年07月18日 23時09分 Copyright The Yomiuri Shimbun)

で、2カ所の太字がポイント。まずは上の方から。「不適切な発言をしていたことがわかった」ってことは、市政担当記者がその場にいなかったってこと。だから「メディアの監視も緩い」と言いたいところですが、全国紙の地域版では議会の無味乾燥なやり取りを取材するより、自費出版したオモシロおじさんのような話題ものを取り上げる方が扱いがよくて田舎の行政取材は余技に過ぎないという構造的な問題もあるんですよ。中日新聞の金城湯池にあって、全国紙の記者が新城市ごときクソ自治体の議会に取材に行くインセンティブがないので一概に責められないわけです。しかし結果として、だからこそ議員のみなさんは“自由闊達”な議論がしやすいんですね。

そういうわけで、2つ目の太字「別の市議がインターネットのブログで取り上げたことで表面化」の話に移るんですが、えっ?「公の議会のやり取りが“表面化”って記者がサボってただけじゃねえか」って?シーッ、声が大きいぞ。

それはともかく、自由すぎる議論に違和感を覚えたのが共産党の浅尾洋平さんという市議さんで、ブログで長田市議の問題発言を「告発」したのが発火点だったわけです。長田市議の発言自体、ほんとアホで論評にも値しませんが、新城市界隈ではきっと、この東日新聞という超ローカルペーパーしか読まれておらず、テレビもケーブルテレビしか無くて都議会ヤジ問題の件をご存じなかったのかもしれません。

ただ、全国ニュースになるほどのレベルだったかというと、都議会のヤジ問題の件が無ければ中部地方の新聞を騒がせておしまいだったと思うんですよ。長田市議も記者の取材を受けて己の不徳を自覚して陳謝し、地方議会不祥事甲子園の愛知代表一回戦敗退くらいのニュースバリューで手じまいになるかと思われたんですね。ところが野球は「九回二死から」とばかりに、議会ぐるみでマンブリして、浅尾さんのブログ告発を問題視して言論封殺に乗り出すという、まさに九回4点ビハインドを満塁弾で追いつき、延長戦に突入させようという気配です。

議員の情報発信を制限へ 新城市議会「ルールつくる」 
愛知県新城市の長田共永市議(49)=無所属=が少子化対策として「穴の開いたコンドームを配っては」と市議会で発言した問題で、新城市議会は二十三日、全員協議会を開催。浅尾洋平市議(37)=共産=がブログで長田氏の発言を取り上げたことを「議会軽視だ」と問題視し、今後、議員の情報発信を制限するルールを作ると決めた。(中日新聞7月24日朝刊、全文は会員のみ)

このKYぶりが天然記念ものですね。彼らが「自由闊達」にしたいと思うところは市民や国民の税金(新城市は歳入226億のうち56億が地方交付金)で運営されていて、長田市議がコンドームを買う給料も血税が原資じゃないですか。クローズドに楽しく議論したいなら飲み屋でやってくださいって話です。それに議会自体が、個々の議員がブログを書いて議事を報告するのは紙の「議会だより」と同等なんじゃないですかね。実際、新城市議会でも各会派は広報費として印刷・新聞折込を計上してる(新城市議会の使途)。ブログは政調費を使わずに有権者に速報で届けられるんですが、よほど「ペーパーファースト」で税金を使って地元の印刷業者を潤わせる思いやりが涙ぐましいです。

ちなみに、中日新聞の報道によると、ルールづくりの旗頭を務めたのが山崎祐一さんという今はやりの自称「地方政治ジャーナリスト」であり自称「作家」のかたで、元々先述の東日新聞の編集局長だったらしいんですね。すごいですね。元新聞記者が議会の情報発信に制限を加える先鞭を切っているわけです。ちなみに、古巣の会社方針では、「地域で起こった様々な出来事を正確に伝える事を基本に、絞り込んだテーマについては、問題提起の出来るような報道を行う。このことを通じて、東三河を本当の意味で良い地域にする為に努力している人々の良き伴走者のような役割をはたすことで地域に貢献する」とあるんですが、先行き見えない地方紙の記者から税金で食べていけるご身分になって安堵されたのか、もう記者時代の思いは忘れてしまったんでしょうか。

そろそろ良識的な「市民」の方が、必殺チェンジオルグして電子署名集めるかもしれませんね。ま、しかしインターネットなんて見ない議員さんたちだろうから、やっぱり直接訪ねて(尋ねて)みるのが一番ですね。いまはネットで全部連絡先もさらしてますからね。新聞記者時代とのギャップについて、お尋ねになりたい方がいましたら住所と連絡先はこちらでーす。気軽にアクセスしてみましょう。
※新城市議会ホームページより
140725山崎

ちなみにフェイスブックもやっているようです。

えーと、アゴラの規定字数を大幅に超過してますので、そろそろスタジオにいるおときた都議にマイクをお渡しして制度的な解説をお願いしたいと思います。現場からは以上です。

※追記(8時10分)最初に火を付けた浅尾市議の情報の出し方に疑義を呈する意見もいただいているのですが、そもそも、議員個々人の情報の出し方について本来は基本フリーで、わざわざ発信に規制をかけたりなんかせず、良識に任せるのが筋ではないかと思われます。

新田 哲史
Q branch
広報コンサルタント/コラムニスト
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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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