ウィーンでペギダ運動のデモ集会 --- 長谷川 良

2015年02月04日 15:13

ドイツのドレスデン市を中心とした反イスラム運動「西洋のイスラム教化に反対する愛国主義欧州人」( Patriotischen Europaer gegen die Islamisierung des Abendlandes、通称ぺギダ運動)はここにきて指導部の退陣や辞任が続き、慣例の月曜日デモ行進が今週は中止されるなどドタバタ劇を演じているが、隣国オーストリアで2日、同国初のぺギダ運動のデモ集会が行われた。以下、デモ集会の取材から報告する。

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▲「われわれは国民だ」と訴えるぺギダ・デモ参加者(2015年2月2日、ウィーン市内で撮影)


音楽の都ウィーン1区で2日午後6時過ぎ(日本時間3日午前3時過ぎ)、300人余りのぺギダ支持者によるデモ集会が行われた。参加者は口々に「Wir sind das Volk」(われわれは国民だ)と叫び、気勢を上げた。一方、ぺギダ運動に反対する左派系デモがぺギダ集会場所周辺に集合し、「ぺギダ打倒」、「ファシスト」、「外国人排斥反対」といったシュプレヒコールを上げ、ぺギダの市内行進を阻止した。反ぺギダ参加者はぺギダ側を大きく上回っていた。反ぺギダ主催者側によると、参加者数はウィーン市内で約5000人という。

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▲ぺギダのデモ集会(2015年2月2日、ウィーン市内で撮影

ぺギダ参加者と反ぺギダ運動の衝突を防ぐため約1200人の警察部隊が動員された。デモ集会付近は警察官、特別部隊が鋭い目で両デモ参加者の言動を監視していた。「監視カメラを検証し、不法な言動をした者が見つかれば、即摘発する」という。

当方はぺギダのデモ行進に参加した中年男性に、「あなたはぺギダ支持者ですか」と聞いてみた。男性は「ぺギダ、反ぺギダなどどうでもいいことだ。われわれが願っていることはオーストリアが国民の手に戻ることだ」という。
警察当局によると、ぺギダのデモ集会にはネオ・ナチ関係者やフーリガンなども加わり、ぺギダ運動をプロパガンダに利用しようとしているという。

オーストリア日刊紙「エスㇳライヒ」は、「ぺギダと反ぺギダは結局は極右と極左グループの対立だ。問題は一部の過激活動家のデモ対策のため国民の税金が使われることだ。2日のデモ対策だけで国民は50万ユーロを支払わされている。毎月曜日、ぺギダのデモ行進が行われたらそれこそ大変だ。ウィーン市民は静かで平和な街を取り戻したいだけだ」と報じている。

仏週刊紙「シャルリーエブド」本社とユダヤ系商店を襲撃したテロ事件、ドレスデンのぺギダ運動の拡大と、アルプスの小国を取り巻く治安情勢は緊迫してきた。オーストリア連邦憲法保護・テロ対策局(BVT)によると、60人余りのイスラム過激派がシリア・イラク紛争に参加後、戻ってきているという。政府も国民もイスラム過激派の動向に神経質となってきている。ぺギダ運動はイスラム教問題で国民を分裂させる危険性が出てきた。


編集部より:このブログは「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2015年2月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。


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