新編集長として所信表明いたします

どうも新田です。本日からアゴラの編集長を務めることになりました。ブログサイトとしては他を圧倒する月間300万PVのメディアをお預かりした責任と、そして、アゴラをここまで実務面から支えていただいた石田雅彦・前編集長から受け継いだバトンの重みをかみしめております。


「じゃ、お前はどんな風にアゴラを運営していくのか?」と興味津々のことだと思います。記者時代、新社長や新監督が就任すると「お手並み拝見」みたいな表現の記事を書く側だったわけですが、いざ立場が逆転で手並みを見られる側に回りますと超プレッシャーですね。世の中やはり因果応報と思いつつ、ネットの将来を過信して新聞社を辞めて、人生棒に振りかけた5年間を送ってきた身としては、重圧を感じられること自体がまた幸福だと感謝しなければなりません。

■「After 2020」て何なの?
それで、昨日もお知らせした通り、まずは新体制のコンセプトを掲げさせてもらいました。題して「After 2020 ~明日のリアルを自由に語ろう~」。私なりの思いを込めております。

After2020-logo-01

アゴラでは以前から主宰の池田信夫(身内になったので敬称略…汗)、そして寄稿者である宇佐美典也さんや、おときた駿さんたちが度々提起しているように、団塊ジュニア以下の世代が社会の中核を担っていく東京オリンピックという祭りのあとにこそ、超高齢化、そして財政・社会保障の危機という世界最先端の課題だらけです。しかし大阪都構想の住民投票で“シルバーデモクラシー”が注目されたように、永田町も霞が関も、そして大手メディアも「動かない現状維持派」(≒シニア層)たちにおもねらざるを得ず、それがまたAfter 2020世代の失望なり諦念なりを喚起しているわけですが、今は意識高い系と笑われている人たちだけでもいいので、志の高い方々があすの日本・東京が抱えるリアルな問題を自由に語りつくす政策議論・提言の場にしていきたいと思います。

■新生アゴラの9つの基本理念(暫定版)
池田オーナーからは新しい執筆者の開拓も仰せつかっており、知名度の有無を問わず、これから私自身も積極的にスカウトしていくつもりですが、コンセプトをもう少しブレイクダウンすると、私としては下記の基本理念で大体価値観が一致する方々とご一緒したいと思っています。

アゴラ基本理念

これはもちろん完成形ではなく、現段階では大同小異でいいと考えます。寄稿者の方、郵政選挙のときの自民党みたいにいきなり追い出したりしませんからご安心を(笑)読者の皆様含め、ご意見もおありだと思いますので、今後1年くらいかけて固めていければと思いますが、まずは政党を立ち上げたときと同じく、細かい政策手法の違いはさておいて、概ねの方向性です。エネルギー政策も「アゴラといえば原発動かそう」的なイメージが強いでしょうが、脱原発を持論とされる方もどこぞの煽り国会議員のような無責任な主張ではなく、経済合理性を前提とし、強靭なロジカルとファクトを用意して池田に論戦を挑む度胸と腕に覚えがあれば、ぜひ挑んでみてください。

なお、返り討ちに遭った場合の傷の手当はご自身の責任でお願いします(汗)。

■日本型ブランドジャーナリズムを模索
もう一つ新体制の裏テーマは、300万PVのサイトに眠るビジネスポテンシャルの開拓です。私自身もビジネス経験が浅いので、編集面よりもここはチャレンジになります。その中で、個人的に以前から注目していたのが、アメリカでは2010年頃から、企業コンテンツを元記者らが編集・発信する「ブランドジャーナリズム」の潮流です。

アメリカでは新聞社が倒産が相次いで企業のマーケティングPRに人材が流れており、培ったコンテンツ編集能力を企業のプロモーションに活用しています。日本でも、企業のオウンドメディアが誇るコンテンツには目を見張るような社会性や時事性があり、私としてもタイアップ記事、スポンサード連載、リアルイベントといった従来型のコラボレーションに加えた、日本型ブランドジャーナリズムというべき新しい取り組みができないか模索しています。

もちろん、妙なステマはNGではございますが、昨今のステマ狩り旋風の煽りでハフィントンポストでは最近企業提供の編集コンテンツが過剰なまでにどんどんパージされていると聞きますし、善意でコンテンツマーケティングしている企業が路頭に迷いかけているのは実に残念に感じます。アゴラでは、イノベーションを創造する経済・ビジネスの重要性を説いてきただけに、「AFTER 2020」の日本で新たなサービス・商品を創発しようと真剣に取り組む企業を応援したいと思います。

■その他もろもろ
そのほか、重大ニュースのある時は速報的なこともやってみたいと思いますが、テクニカル的には、サイトデザインのリニューアル、それからメンバーや読者から再三ご指摘を受けているモバイル対応の必要性は重々分かっております。そのあたりは今後社内外の専門家と詰めていきたいと思います。もろもろリソースがさほどあるわけではないので、まず一歩一歩できるところからです。

奇しくもアスペクトでの連載で本日アップされましたが、佐々木俊尚氏らに煽られ、ネットで人生一度は棒にふりかけた私が、どんなことをやらかすのかというご興味をいただくだけでもありがたいですが、できますればみなさんと一緒に日本の新しい時代を創発する言論プラットフォームとして、さらに大きく育てていければと思います。

小本営からの発表は以上です。よろしくお願いします。
ではでは。

新田 哲史
ソーシャルアナリスト/企業広報アドバイザー
個人ブログ
ツイッター第4回「佐々木俊尚、渡邉正裕両氏に“煽られる”」本日アップ(バナーをクリック)
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