国が民泊解禁ですがウチの管理組合はNGでした

2016年05月17日 06:00

どうも新田です。きのう都内某スーパーで買い物していたらサングラスをかけているけど存在感を隠しきれない叶美香さんの艶姿に遭遇して、夏物解禁を感じたこの頃です。そのスーパーに立ち寄る前に、今春から私が理事に就任したNPO法人ICPF(情報通信政策フォーラム)のシンポジウム「イノベーションを促す経済政策」を見学してきたのですが、そこでも話題に出た「民泊」を巡って、日経が先日こんな特ダネを載せていました。

民泊を全面解禁、住宅地で営業認める 政府原案 

政府は一般住宅に旅行者らを有料で泊める「民泊」の全面解禁に向けた原案をまとめた。マンションなどを所有する貸主がネットで簡単な手続きを済ませれば、旅館業法上の許可なしで部屋を貸し出せるようになる。いまは禁じている住宅地での営業も認める。都市部を中心に足りなくなっている宿泊施設を増やし、訪日外国人の拡大につなげる。(出典;日本経済新聞16年5月13日)

民泊事情は複雑怪奇になっている

これまでの日本社会の規制ゴリゴリの状態からすると“全面解禁”というようにも見えますが、見出しに釣られずに冷静にその内実を見極めていきたいところです。たとえば、アゴラで内藤忍さんが指摘していたように、この原案だけでも「営業日数の制約」がどうなのか、旅行者のニーズとのマッチング、採算性のことを考えると、微妙ではないかと思う節もあります。

また、民泊業界界隈もここに来て内情が複雑化しているという噂も耳にします。以前は、たとえばAirBnbのような新興勢力と、既存の宿泊業界側との間で規制緩和をめぐる「新旧対決」の一騎打ちというわかりやすい構図だったのですが、国による一定の解禁が現実になってきた最近は、新興勢力の間だけでも国内、外資と規制に対する考え方も同床異夢で、また一方のトラディショナルな勢力も宿泊業界だけでなく、不動産業者も参入して同様の展開になっております。

しかも、トラディショナル界隈の裏事情については先日、全旅連(全国旅館生活衛生同業組合連合会)の関係者がNewsPicksで、「民泊で最大の利益供与を受けるのは賃貸不動産業者になる」というコメントをぶっこんで表面化させるスタンドプレーを熱演。かの平沼騏一郎的な文言で言えば「民泊事情は複雑怪奇なり」という状況がアーリーアダプター層には知れ渡りつつあり、結局、外野から見ていると、「政治家に対するロビイング競争で一番声を大きく届けた者や票を持っている者が勝つんじゃないか」的な邪推が働いてしまいそうです。今後日経新聞やダイヤモンド、東洋経済あたりの大手ビジネスメディアが解説報道すれば社会的関心がキャズム超えする可能性もあります。

政策当局の規制は「事後型」へ

ただ、だからといって与党の先生たちのイノベーションへの関心度合い、そして実際の政策・制度化に落とし込んでいく力量はお世辞抜きでかなりのものがあると思います。昔の自民党では考えられないほどで、ましてや旧来型の安保反対とかで迷走気味の野党の先生たちに比べると、イノベーションを勉強する姿勢がより積極的なようにも見え、中堅・若手はベンチャーや外資サイドの意見もしっかり聞いておられるようです。この春からアゴラの執筆陣に加わっていただいた福田峰之先生は、まさにそんな一人。

昨日のICPFのシンポジウムでも新興ビジネスが直面する各種の規制に関して、政策当局者が「事前型から事後型へ」シフトする考え方になりつつあることなど、熱弁をふるっていただきました。自動運転技術を開発するグーグルの研究所、「グーグルX」の責任者にリスクに対する考え方をヒアリングした時の話などは興味深く拝聴しました。

「民泊禁止」の張り紙に感じる、世論の覚悟の有無

一方で、シンポジウムを客席で聞きながら思ったことは、日本でイノベーションの規制緩和をしても、私たち一般人を含めた世論がリスクとリターンを勘案して、福田先生も力説していた「まず、やってみる」という覚悟を決められるかどうかも市場の育成に関わることだと思います。このブログのタイトルにもありますように、ワタシメの住んでいるマンションでは、この4月のある日、突然屋内に写真のように民泊禁止の張り紙が出てしましました。

民泊禁止

お、おう。。。それにしても特定企業を名指した禁止マークは圧巻です。一応禁止の理由としては管理規約違反だということですが、管理会社の意向も強く働いてそうです。

もちろん、私も隣の部屋で外国人の観光客がドヤドヤと押しかけてきて騒ぎまくってしまったら、それはそれでブチ切れると思いますので、仮に規約を見直すにしても慎重に細かい条件付けをしなければならないと考えます。ただ、今回、この身近な一件ひとつをとっても、政治家、役所、企業、起業家ばかりにイノベーション育成に伴うリスクを押し付けていないか、ひたすらリスクに背を向ける思考停止をしていないか、象徴的に思えてなりませんでした。マスコミも特に社会部系の記者たちはそういう気質がありますしね。そのあたりのことは下記の個人ブログのイノベーション関連記事でも書いていますので、ご興味があればご覧ください。

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ではでは。

新田 哲史
アゴラ編集長/ソーシャルアナリスト/ICPF理事
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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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