「なぜ彼女が帳簿の右に売上と書いたら世界が変わったのか?」

2017年01月09日 11:30

数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本も紹介する。

衛藤美彩、澤昭人「なぜ彼女が帳簿の右に売上と書いたら世界が変わったのか?」

公認会計士と人気アイドルグループ「乃木坂46」のメンバーによる異色のコラボ本だ。

「なぜ彼女が帳簿の右に売上と書いたら世界が変わったのか?」

監修という名目で有名人の名前を借りているだけの本では決してない。高校時代に経理を学び、簿記の資格を持つ乃木坂46の衛藤美彩氏が企画段階から参加し、会計士の澤昭人氏から50時間を超える講義を受けながら、一緒に物語を描いていったというだけであって、まずストーリーが面白い。そして何より、複式簿記や仕訳などという、会計の素人には難解な概念も、様々な登場人物の会話を通じて自然に頭に入っていく。

物語は乃木坂46の衛藤美彩が複式簿記のないもう1つの世界「パラレルワールド」で目が覚めるところから始まる。美彩がかつてあまり深く考えずに学んだ簿記の知識は、パラレルワールドに住む貴族や商人、大学教授にとって初めて聞くことばかり。美彩は戸惑いながらも、その美しさから「複式少女」とおだてられ、様々な問題を解決していく。大分の実家でつくる焼酎を女性に広めるための株式会社「乃木ちこ」も設立。焼酎は大変な人気を博し、株式上場も計画するが…

後半では、公認会計士による監査制度の意義、資本主義や株式市場の功罪についてもストーリーは展開していく。単なる会計の解説本ではなく、資本主義の発展を支え、「芸術」とまでに称される複式簿記の本質を描き出すことに成功している。そして美彩という美しい女性を巡って、男たちが様々な駆け引きを繰り広げる恋愛ドラマの要素も持ち合わせている。

会計や簿記の知識がなくても読めるように工夫されているが、簿記3級程度の知識があると、学習の理解が深まりそうだ。会計の専門知識がある人にとっても小説感覚で読め、十分に楽しめる内容だ。

文:M&A Online編集部


アゴラ編集部より:この記事は「M&A Online」2017年1月7日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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