もう元号を使うのはやめよう

池田 信夫

mig政府は平成31年1月1日から新しい元号にする検討を始めた…と聞いて、とっさに西暦何年のことか、わかる人は少ないだろう。平成31年とは2019年のことだ。今度これが新元号になると、2020年から「新元号」2年、3年…となり、年数の計算は一段とややこしくなる。

官庁はいまだに統計データが元号で使いにくいが、元号法は「元号は政令で定める」と規定しているだけで、官庁にも元号の使用を義務づけていない。マスコミで元号を使っているのはNHKと産経ぐらいだが、海外ニュースは西暦だ。では国内と海外の事件を一つのニュースで伝える場合はどうするのか、原則がないので混乱する。

世界的にも公文書で独自の年号しか使わないのは、台湾と北朝鮮ぐらいだ。サウジアラビアも去年、「ヒジュラ暦」をやめた。元号の本家の中国にも元号はない。新たに元号を定めるのはかまわないが、官庁のデータは必ず西暦を併記し、NHKはすべて西暦で統一すべきだ。