聖徳太子や鎖国を教科書から消す愚劣

2017年02月15日 11:30

聖徳太子の最古の肖像とされる「唐本御影」(Wikipediaより:編集部)

文部科学省が14日に公表した次期学習指導要領の改定案では、小中学校の社会科で「鎖国」の表記をやめ、「幕府の対外政策」に改め、中学歴史でも、「聖徳太子」が没後100年以上たって付いた呼称だとして、「厩戸王うまやどのおう」に変えるそうだ。

江戸幕府は長崎でオランダや中国との交易を許し、薩摩(鹿児島県)、対馬(長崎県)、松前(北海道)でも外交と貿易が行われていた。完全に国を閉ざしていたわけではないため、当時の実態に即して表記する。

しかし、300年近く日本人の海外渡航を全面的に禁止し、西洋のものや西洋について書いた書物の輸入も事実上、全面禁止したのを鎖国と表現しないことにすることは、むしろ、誤解を招く。

聖徳太子という日本人が千年以上も使ってきた呼び名をなんのために廃止するのか?

当時、使われてなかったといいだしたら、江戸時代の大名領国を「藩」といっていなかったのだから廃止すれば良いし、幕府もほぼ同様だ。

イエスとかブッダとかいうのもやめればいいし、昭和天皇を生前昭和天皇とは呼んでなかったのだから同様だろう。

邪馬台国とか卑弥呼とかいうのも中国人がそういっていただけだ。

要するに、日本書紀に書いてあることは排除したいとか、明治維新の意義を小さくみせるためには、歴史学者は何でもやる人たちだというだけのことだ。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学大学院教授

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