都民ファースト候補の最大勢力は公明党の23人に一変

公明党公認23人全員が推薦になり都民ファーストは公明党が最大勢力に

図表: 公明党公認予定候補一覧

出典:都民ファーストプレスリリース等から著者作成

5月13日の都民ファースト公認及び推薦の発表で、都民ファースト候補の構成は大きく変わった。
公明党公認23人全員が都民ファースト推薦になると発表されたからだ。
これまで「元自民党」、「元民進党」など政党を離党した候補者が都民ファーストの公認や推薦になる事はあったが、政党の公認候補がそのまま推薦となるのは初だ。
公明党は前回の選挙で獲得した23議席と同じ人数である23人を候補者として擁立する予定だ。
定数改正があったため選挙区を変更する候補者がいるほか、引退もあり現職都議はこのうち19人、新人が4人でそのうち2人は区議となっている。

図表: 生活者ネット公認予定候補一覧

出典:都民ファーストプレスリリース等から著者作成

今回の都民ファーストの公認推薦発表では、この他にも東京・生活者ネットワークの現職、山内れい子 都議も推薦された。
これによって、東京・生活者ネットワークの公認候補も都民ファーストの推薦を得ることになったが、一方で現段階では、東京・生活者ネットワークは公認候補が4人いるが、このうち1人だけが都民ファーストの推薦という状況になった。

 

元民進党の予定候補は15人、元自民党は10人に

図表: 元民進党の民進党・都民ファースト等予定候補一覧

出典:都民ファーストプレスリリース等から著者作成

民進党については、先週この高橋亮平(一般社団法人政治教育センター代表理事・NPO法人 Rights代表理事・元中央大学特任准教授・元市川市議・元市川市長候補)ブログでも『「都民ファースト」は「偽装民進党」か「偽装自民党」かそれとも「新たな第三党」か【全候補者一覧】』( https://news.yahoo.co.jp/byline/takahashiryohei/20170509-00070756/ )を書いたばかりだが、今回新たに尾崎大介 都議が無所属で都民ファーストの推薦となった。
これによって、中山寛進 都議、酒井大史 都議、小山有彦 都議、石毛茂 都議、島田幸成 都議、山下太郎 都議と合わせて民進党の公認予定候補となっていた現職の都議会議員が7人、元職の滝口学 元都議を含めると8人、民進党の公認申請はしていなかった石川良一 都議も含めると民進党関係の都民ファースト推薦予定候補は9人となった。
民進党公認から都民ファースト公認となった6人と合わせ、これでこの間の民進党からの離党は16人に上り、うち新井智陽 議員を除く15人が都民ファーストの公認・推薦を得た事になる。

図表: 公明党・生活者ネット・元民進党以外の都民ファースト予定候補一覧

出典:都民ファーストプレスリリース等から著者作成

今回の発表では、この他にも新たに希望の塾から滝田泰彦氏、森村隆行氏の2人の公認が決定した。
これにより議員経験のない希望の塾からの都民ファースト公認は議員秘書経験者4人を含めて20人となった。
自民党からの公認及び推薦は今回はなく10人のままとなった。

 

都民ファースト予定候補の現職都議は会派も5つに分かれている

前回のコラムでは、民進党議員の会派であった「東京改革議員団」所属の都議会議員18人が民進党公認議員と無所属都民ファースト推薦議員がほぼ半々になっている事が「分かりにくい」、「都議会議員選挙後もこの枠組みになってしまうのではないか」と指摘したが、今回の公認及び推薦でより複雑な形になった。
現状、都民ファースト公認及び推薦の現職都議会議員を会派別に見ると、都民ファーストの会 東京都議団4人が公認、なぜかこの会派にいながら木村基成 議員だけは公認も推薦もされていない。都議会公明党は次の都議選に出馬する予定の19人全員が推薦、東京改革議員団が8人、都議会生活者ネットワークも1人だけが推薦、無所属(深呼吸のできる東京)1人の計33人。
4つの会派と無所属の5つに分かれている。
現職都議以外も含めた現状の都民ファーストの第14次公認及び推薦までの状況で言えば、公明党公認が23人、元民進党系の予定候補が15人、元自民党系の予定候補が10人、元維新系1人、無所属3人、元みんな系3人といった政治家たちと、これまで政治に関わってこなかった希望の塾の塾生20人によって成り立っている状況だ。
より複雑になってきている現段階での各党の離党状況や都民ファーストの構成状況について理解する参考にしてもらえればと思う。
公認及び推薦が発表されるたびに構成が変わる都民ファースト。
今後の公認及び推薦についても注目していきたい。

図表: 都民ファースト予定候補の出身政党等割合

出典:都民ファーストプレスリリース等から著者作成

図表: 都民ファースト予定候補の出身政党等一覧

出典:都民ファーストプレスリリース等から著者作成

 

高橋亮平(たかはし・りょうへい)
一般社団法人政治教育センター代表理事、NPO法人Rights代表理事、一般社団法人生徒会活動支援協会理事長、千葉市こども若者参画・生徒会活性化アドバイザーなども務める。1976年生まれ。明治大学理工学部卒。26歳で市川市議、34歳で全国最年少自治体部長職として松戸市政策担当官・審議監を務めたほか、全国若手市議会議員の会会長、東京財団研究員、中央大学特任准教授等を経て現職。学生時代訴え続けた18歳選挙権を実現。世代間格差問題の是正と持続可能な社会システムへの転換を求め「ワカモノ・マニフェスト」を発表、田原総一朗氏を会長に政策監視NPOであるNPO法人「万年野党」を創設、事務局長を担い「国会議員三ツ星評価」などを発行。AERA「日本を立て直す100人」、米国務省から次世代のリーダーとしてIVプログラムなどに選ばれる。テレビ朝日「朝まで生テレビ!」、BSフジ「プライムニュース」等、メディアにも出演。MXテレビ「TOKYO MX NEWS」では週一ペースで解説を務める。著書に『世代間格差ってなんだ』、『20歳からの社会科』、『18歳が政治を変える!』他。株式会社政策工房客員研究員、明治大学世代間政策研究所客員研究員も務める。
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